本連載では「加速するデータ共有圏(Data space):Catena-XやManufacturing-Xなどの最新動向と日本への産業へのインパクト」をテーマとして、データ共有圏の動向やインパクトを解説していく。今回はデータを共有することのインパクトを紹介する。
本連載では、「加速するデータ共有圏(Data space):Catena-XやManufacturing-Xなどの最新動向と日本への産業へのインパクト」をテーマとして、拙著「メタ産業革命〜メタバース×デジタルツインがビジネスを変える〜」(日経BP/2022年10月20日出版)の内容にも触れながら、データ共有圏の動向やインパクト、IDSA(International Data Space Association)、GAIA-X、Catena-X、Manufacturing-Xなどの鍵となる取り組みを解説していく。
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データを共有、交換する際には、従来はプラットフォームを介したデータ共有であり、プラットフォームに提供したデータの活用や、マネタイズについてはプラットフォーマーが実施するため、データ所有者が関与できなかった。
一方で、現在欧州発で検討が進むデータ共有圏(Data space)については、コネクターと呼ばれるデータの出し手と受け手を直接つなぐ分散型の共有となる。コネクターを活用し、データ所有者と利用者が直接データ共有を実施し、データ主権が担保される。データ所有者が「他者がデータをどのように、いつ、いくらで利用できるかを自己決定」できることが特徴だ。
第1回で触れた通り、データ主権を掲げるIDSA(International Data Space Association)、クラウドでの分散共有(Federation Service)を進めるGAIA-X、自動車でのデータ共有の仕組みづくりを進めるCatena-X、Catena-Xの仕組みの上に実際のマーケットプレースやアプリケーション展開を行うCofinity-X、Catena-Xの取り組みを土台にデータ共有を製造業全体に広げていくManufacturing-Xなどの主要な組織が取り組みを進めている。
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