IDC Japanは、国内のIoT市場予測を発表した。同市場におけるユーザー支出額は、2022〜2027年の5年間で年間平均成長率8.5%で成長し、2027年には8兆7461億円になると予測している。
IDC Japanは2023年6月7日、国内のIoT(モノのインターネット)市場予測を発表した。国内IoT市場におけるユーザー支出額は、2022年実績で5兆8177億円。その後2022〜2027年の間、年間平均成長率8.5%で成長し、2027年には8兆7461億円になると予測している。
支出額を技術グループで分類すると、2022〜2027年の年間平均成長率はハードウェアが5.9%、通信サービスなどのコネクティビティが4.6%、ソフトウェアが11.8%、導入、運用などのサービスが10.9%で、ソフトウェアが最も高くなると予測している。
ソフトウェアについては、製造、資源セクターが、オンプレミスで運用していたIoT環境をクラウドに移行する、IoTクラウドプラットフォームを新たに導入するといった事例が増えているという。流通、サービスセクターでは、IoTシステムでの在庫管理や顧客購買行動を分析するアナリティクスソフトウェアへの支出が加速しそうだ。
IoT市場を産業別で見ると、組み立て製造、官公庁、プロセス製造分野の支出額が多い。中でも、組み立て製造、プロセス製造分野では、ITベンダーが中心となってIoT向けのソフトウェア群を共通化し、製造業向けの特化型IoTプラットフォームやソリューションを提供する事例が増えている。
さらに、CIOF(Connected Industries Open Framework)などの標準規格や連携基盤が広く構築されることで、これまでは難しかったメーカー固有機器とシステム間のデータ連携が容易になると見込まれる。
こうしたことから今後、製造業向けIoTソリューションの選択肢が多様化し、組み立て製造、プロセス製造分野でのユーザー支出額は大きく増加するとみられる。
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