“解析専任者に連絡する前に設計者がやるべきこと”を主眼に置き、CAEと計測技術を用いた振動・騒音対策の考え方やその手順を解説する連載。連載第9回では振動を伝わりにくくする対策「振動絶縁」について説明する。
前回は振動源の振動を下げる方法を述べました。今回は振動を伝わりにくくする対策「振動絶縁」について解説します。
筆者が会社勤めをしていた当時、クリーンルームで実験をする機会がよくありました。クリーンルームは狭いので場所の取り合いです。精密な測定をする際、隣の機械が動いていると振動が伝わってきちんと測定できないことがあります。そのようなときには、お隣さんと作業時間の調整をしなければなりません。
お隣さんが「モーター」、当方が「精密機械」だとします。動画1はお隣さんが上手に振動を絶縁して当方に迷惑を掛けなかった例です。そして、動画2は当方が自衛策をとった例で、床に発生した振動を遮断しています。
動画2の場合で、振動絶縁に失敗した例を動画3に示します。
このような振動絶縁を施した設計をするためにも「ばね−マス系」のことを知っておく必要があります。
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