ExtraBoldは、シンガポールに拠点を構える同社子会社のExtraBold R&DとNanyang Technological University(南洋理工大学)のSingapore Centre for 3D Printingが、プラスチックリサイクル問題の解決に向けた3Dプリンティング技術の共同開発契約を締結したことを発表した。
ExtraBoldは2023年6月2日、シンガポールに拠点を構える同社子会社のExtraBold R&DとNanyang Technological University(南洋理工大学/以下、NTU)のSingapore Centre for 3D Printing(以下、SC3DP)が、プラスチックリサイクル問題の解決に向けた3Dプリンティング技術の共同開発契約を締結したことを発表した。
ExtraBold R&DとSC3DPの両者は、大学研究機関として世界でも最大規模の施設を保有するSC3DPの施設内に専用の研究スペースを設け、増加する廃棄プラスチック問題に対処し、プラスチックリサイクルの拡大に貢献することを目指した次世代3Dプリント技術の開発に取り組む。
現在、世界全体における廃棄プラスチック量は3億t(トン)を超えており、2040年までに倍増するという予測がある。これに対し、世界各国でプラスチックの再利用を促進する動きもみられるが、10%未満という現状のリサイクル率のままでは、廃棄プラスチックの増加量に対応するのが難しい。
こうした状況を打破し、プラスチックのリサイクル率の拡大に貢献するのが、ExtraBoldが保有するペレット樹脂方式の3Dプリンティング技術と樹脂コンパウンド技術だ。これら技術の活用により、コストと品質の両面からの課題解決を図る。
さらに、同社はデザインラボ「HONOKA」による“廃棄された畳のイ草と生分解性樹脂”を用いた3Dプリント製家具の製作および材料開発支援の取り組み(廃棄された畳のイ草と生分解性樹脂で3Dプリント家具を製作、畳の魅力を次世代へ)に代表されるように、バイオプラスチックを使用した樹脂材料の造形技術開発にも注力しており、新たな価値創出や3Dプリンティング技術の適用範囲の拡大を目指している。
ExtraBoldは、今回の共同開発契約の締結をさらなる成長に向けた大きな一歩と捉え、廃棄プラスチック問題の課題解決に向けた取り組みを通じ、持続可能な社会を目指すとともに、3Dプリンティング技術の研究開発と社会実装を進めていくとする。
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