新潟タキザワはExtraBoldの大型3Dプリンタ「EXF-12」を導入し、店舗向け家具や内装などの製作に3Dプリンティング技術を活用する新規事業を開始する。
ExtraBoldは2023年3月6日、新潟タキザワが大型3D付加製造機(大型3Dプリンタ)「EXF-12」(量産機バージョン2.0)を導入し、店舗向け家具や内装などの製作に3Dプリンティング技術を活用する新規事業を開始したことを発表した。
一般的に店舗向け家具などを製作する際に発生する端材は、接着剤や塗料が混じっていることが多く、リサイクルが困難で廃棄せざるを得ない状況にある。新潟タキザワでは1カ月間で小型コンテナ3〜4台分もの端材が発生しており、環境配慮の面で課題となっていた。
新潟タキザワはリサイクル困難な端材の削減に加え、植物由来など環境負荷の低い樹脂を用いた店舗向け家具の製作、曲面を取り入れた自由度の高いデザインの適用、若手人材の確保などを目的にEXF-12の導入を決定した。
EXF-12の導入検討の期間、新潟タキザワの担当者がデジタルモノづくりの実践技術を習得するために、ExtraBoldが試験運用している実践交流型のトレーニング「BOLDGYM」を活用。約4カ月間でEXF-12の操作、3D CADによる設計、デザインなどのスキルを一から学ぶことができたという。
EXF-12は樹脂ペレットを材料とし、射出成形スクリューを応用したExtraBold独自設計のヘッドによって溶かされた樹脂を押し出し積層する産業グレードの大型3Dプリンタだ。最大造形サイズは1700×1300×1000mmを誇り、新潟タキザワが手掛ける店舗向け家具や内装などの造形に適している。
3Dプリンタを用いた製作であれば端材が発生しにくく、自由度の高いデザインを取り入れることが可能だ。また、一度店舗家具や内装などの3Dデータを作成してしまえば、職人が不在でも繰り返し同じものを製作できる。肝心のリサイクル性についても、材料に樹脂を用いているため、例えば不要になった店舗向け家具などを粉砕し、リペレット化することで材料リサイクルにつなげられる。
新潟タキザワは、新規事業として3Dプリンタをはじめとする最新技術を積極的に取り入れた家具の製作を進め、将来的には内装全体にEXF-12を活用することを目指す。また、これらの新たな取り組みを通じて人材確保にもつなげたい考えだ。
ExtraBoldは、引き続きEXF-12を活用した新潟タキザワの新規事業を支援していくとともに、家具メーカーや内装業者に対してEXF-12を提案し、市場拡大を狙う。
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