ExtraBoldは、デザインラボ「HONOKA」が手掛ける“廃棄された畳のイ草と生分解性樹脂”を用いた3Dプリント製家具の製作および材料開発を支援したことを発表した。
ExtraBoldは2023年4月12日、デザインラボ「HONOKA」が手掛ける“廃棄された畳のイ草と生分解性樹脂”を用いた3Dプリント家具の製作および材料開発を支援したことを発表した。
ExtraBoldの大型3D付加製造機(大型3Dプリンタ)「EXF-12」を用いて製作されたHONOKAの家具シリーズ「Tatami ReFab Project」は、同年4月18日(現地時間)からイタリア・ミラノで開催される「ミラノサローネ国際家具見本市 2023」に出展される。
廃棄された畳の原料であるイ草と生分解性樹脂である酢酸セルロースを混ぜた材料を、ExtraBoldの設備と技術を活用して独自開発した。同時に、ExtraBoldはHONOKAのメンバーに対して作業スペースとともに、EXF-12や造粒機などの設備を貸与し、約3カ月間におよぶ製作をサポートした。
Tatami ReFab Projectは、畳を現代の暮らしに編み直すプロジェクトであり、使い終えた畳や廃棄される原料を生分解性樹脂と混ぜ合わせた材料で製作した家具を通じ、畳の新たな魅力を次世代へ発信していくことを狙う。酢酸セルロースは、最終的に水と二酸化炭素に生分解し、自然界へと循環する環境性に優れたバイオマス素材として知られている。
実際の家具製作では、イケヒコ・コーポレーションから提供された廃棄イ草を粉砕し、ExtraBoldで酢酸セルロースと混ぜ合わせて造粒機でペレット化した独自材料を用い、EXF-12で造形を行った。
Tatami ReFab Projectで製作した家具「AMI」は、空中で材料を吐出しながら網状の座面を形成した作品。同じく「SORI」と「MUKURI」は、イ草と酢酸セルロースの配合を造形中に調整しながら絶妙なグラデーション表現をまとった作品となっている。
HONOKAは有志のプロダクトデザイナーで構成されたデザインラボで、3Dプリンタをはじめとする次世代の製法などを研究、活用し、手触り、香り、色彩など、自然素材の魅力をほのかに感じさせるモノづくりに取り組んでいる。今回のプロジェクトは、ExtraBoldが試験運営を行っているモノづくりトレーニングジム「BOLDGYM」の一部メンバーによる自主活動の一環からスタートしたものだ。
BOLDGYMは、ExtraBoldの技術メンバー、クリエイティブメンバーを中心に、アルバイトやインターン、他企業からの参加メンバーなどで構成されている。ExtraBoldはBOLDGYMの活動を通じて、今後もクリエイティブなプロジェクトの支援を継続していくという。
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