ルネサスがSiCデバイスを量産「EV向けパワー半導体のシェアを大きく伸ばす」組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

» 2023年05月22日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
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2023年にはデザインインの50%をウィニングコンボに

 ルネサスは2022年度(2022年12月期)に過去最高の売上高と営業利益を達成するなど業績は好調だ。2023年度以降も同社が事業対象とする組み込み機器向け半導体市場を上回る成長を維持し、2030年度に売上高200億米ドル以上などとする事業目標の達成に向けて展開を加速する方針である。

ルネサスの業績と今後の見通し ルネサスの業績と今後の見通し[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 好業績をけん引しているのが、高シェアを誇るマイコンと、企業買収でラインアップを拡充しているアナログICやセンサーの組み合わせで顧客の製品の早期開発につなげるソリューション「ウィニング・コンビネーション(ウィニングコンボ)」だ。ウィニングコンボのラインアップは2023年には2019年比で5倍の500に達する見通しで、このうち35%が製品をフルシステムで開発できるものになる。さらに、将来的に受注高や売上高に反映されるデザインインについても、2023年には50%をウィニングコンボベースにするべく提案を強化している。

ウィニングコンボのラインアップ数(左)とデザインインに占める割合(右) ウィニングコンボのラインアップ数(左)とデザインインに占める割合(右)[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 この他、コロナ禍で課題となった半導体不足に対応すべく保有在庫を積み増す方針を打ち出した。これまでの100日分としていた在庫目標を120日分に変更する。ただし、パッケージ済みの完成品で在庫するのはなく、後工程に入る前の仕掛品であるダイバンクを増やすとともに、汎用品の受注リードタイムを短縮することで業績に影響を与えないようにする方針だ。

保有在庫を100日分から120日分に積み増す 保有在庫を100日分から120日分に積み増す[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス
ダイバンクによって保有在庫を増やしつつ汎用品の受注リードタイムを短縮する ダイバンクによって保有在庫を増やしつつ汎用品の受注リードタイムを短縮する[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

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