ルネサス エレクトロニクスは2022年5月17日、2014年10月に閉鎖した甲府工場(山梨県甲斐市)に900億円の設備投資を行い、2024年からIGBTやパワーMOSFETを生産すると発表した。EV(電気自動車)など電動化で需要が急拡大することに対応して、パワー半導体の生産能力を強化する。
ルネサス エレクトロニクスは2022年5月17日、2014年10月に閉鎖した甲府工場(山梨県甲斐市)に900億円の設備投資を行い、2024年からIGBTやパワーMOSFETを生産すると発表した。EV(電気自動車)など電動化で需要が急拡大することに対応して、パワー半導体の生産能力を強化する。甲府工場で本格的な量産がスタートすれば、ルネサスとしてのパワー半導体の生産能力は現状の2倍に増える。
甲府工場に残っている建屋を有効活用し、300mmウエハーに対応したパワー半導体の生産ラインを設ける。クリーンルームの面積は1万8000m2となる。設備投資は、経済産業省の半導体戦略を踏まえて同省と緊密に連携し、2022年中に実施する。業績への影響は軽微だとしている。甲府工場にはかつて150mmおよび200mmウエハーの生産ラインがあった。
甲府工場の閉鎖を決めた当時のルネサスは、合併して発足する以前からの収益体質の悪さを改善することが急務だった。官民ファンドである産業革新機構から出資を受けており、大規模なリストラや携帯電話機向けSoCからの撤退など経営再建を推進。その中で、甲府工場を含む国内の生産拠点の再編を2014年に実施した。前工程を10工場16ラインから7工場8ラインに、後工程は12工場から2工場に集約される中で、甲府工場は吸収合併された。甲府工場の集約に関しては、2013年度決算で減損損失と集約関連費用として35億円を特別損失に計上した。
2023年上期には、デンソーが半導体ファウンドリー大手のユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーション(UMC)の日本法人であるユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(USJC)との協業で、300mmウエハーで車載用IGBTを生産する。
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