将来的には、両社が進める実験や研究の成果を生かして、独自のディフューザーとコントロールアプリで構成される「Meta scent Diffuser(メタセントディフューザー)」を開発し、リリースする。
Meta scent Diffuserは、スマートフォン向けのコントロールアプリで入力された情報に基づき、インターネットを経由して、匂いデータベースに保存されたデータをディフューザーが受信し、搭載された香料を組み合わせて、対象物の香りを発生する他、自宅に常備可能な40種類の香料で数千種類の香りを再現できるようにもする。
久保氏は、「Meta scent Diffuserでは、VRゲームやメタバースと連携し、内容に適した香りをリアルタイムに出せる機能を搭載することも予定している。例えば、レーシングゲームではタイヤの焦げる香りを体感しつつ自動車の運転者を楽しめ、ゾンビゲームでは銃の発砲後に火薬の香りを嗅げるようにして臨場感を味わえるようにしたい。また、病院や高齢者施設の入居者が、減塩の食事でも満足できる香りを出せるようにするための開発も行いたい」と展望を話す。
一方、世界のアロマセラピーディフューザー市場は、2020年に約174万ドルを記録し、2021〜2027年の期間には9.2%以上の成長率が見込まれている。特に、先進国では、ストレスやうつ、不安の軽減などで、アロマセラピーの効果が一般消費者に知られるようになり、多様なタイプのディフューザーの需要が増加すると推測されている。そこで、Meta scent Diffuserでも、リラックス可能な香りや精神の安定につながる香りを発生させられるようにする予定だ。
Meta scent Diffuserのテーマは、「数値化」「記録」「転送」で、匂いを数値化し記録して、記録をデータベース化し転送することで、新たなインフラを目指すという。各テーマにはコンセプトも用意している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.