住友商事がレアアースの調達安定化に向け、米国の企業と独占販売代理店契約を締結製造マネジメントニュース

住友商事は、米国のレアアース生産者であるMP Materialsが製造するレアアースについて、日本向けの独占販売代理店契約を締結した。米国産レアアースの供給を強化することで、日本における調達の多様化、安定化を図る。

» 2023年03月08日 13時30分 公開
[MONOist]

 住友商事は2023年2月22日、米国のレアアース生産者であるMP Materialsが製造するレアアースについて、日本向けの独占販売代理店契約を締結したと発表した。レアアースの需要拡大が加速する中、米国産レアアースの供給を強化することで、日本における調達の多様化と安定化を図る。

 MP Materialsは、レアアースの採掘、製造、販売を手掛ける世界最大級の企業。カリフォルニア州にある同社のマウンテンパス工場は、同州の厳しい環境規制の下で、生産工程で発生する廃棄物や排水を再利用する環境負荷の低い操業を実現している。

キャプション MP Materialsのマウンテンパス鉱山と製造工場[クリックで拡大]出所:住友商事

 ネオジム、プラセオジムなどのレアアースは、世界で最も強力なネオジム鉄ボロン磁石と呼ばれる永久磁石の原料となる。この永久磁石は、電気自動車(EV)や風力発電用モーター、各種電子機器などの先端産業に不可欠な部品だ。脱炭素化に向けてこれらの需要拡大が見込まれており、レアアースの世界的な需要も急激に拡大している。

 住友商事では、1980年代にレアアースの輸入取引を開始。以降、レアアースの安定したサプライチェーン確立に向けて、探査、開発、生産、販売活動をグローバルに実施してきた。その知見を生かし、これまで中国からの輸入を主な供給源としていた日本の供給先を広げ、レアアースの安定調達、脱炭素化社会の構築に貢献していくとしている。

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