協働ロボットのねじ締めは力覚センサーがカギ、ハイオスの電動ドライバーがUR+に:協働ロボット(2/2 ページ)
ユニバーサルロボットの協働ロボットでハイオスの「BLF/PGFシリーズ」がプラグ&プレイで利用可能に[クリックで拡大]
特にユニバーサルロボットが2018年から投入している協働ロボットの「e-Series」に、力覚センサーが標準で内蔵されている点も、ねじ締めの自動化との相性がいいという。
「ねじが締まっていく速さに、ロボットの動作の速さが追随していないと、押し付けが強すぎてねじの頭がつぶれてしまったり、ワークがたわんでしまったり、ねじ穴がずれてドライバーに過負荷を与えてしまったりする。力覚センサーがあれば、設定した力で押し付けるので、ビットとねじが外れてねじの頭をつぶしてしまうことがなく、初心者でも簡単に設定できて熟練者に近いねじ締めになる」(羽賀氏)
力覚センサーなどを活用して適切にねじ締め[クリックで拡大]
まず、ねじが所定の位置まで搬送されているかを確認するモードがあり、次にねじをピックアップしてねじ穴に移動させるプログラムを組む。ねじ穴の上までツールを移動させたら、電動ドライバーの制御に関する指示を行う。電動ドライバーの回転方法や力覚センサーを使った力加減などを設定して、ねじを締める。正しく締まれば電動ドライバーは自動的に回転を止める仕組みになっており、その信号を受けて次の作業に移る。
ねじ締めエラーが起こった時の対策としては、PGFシリーズのI/O設定で出力された信号を受けて、協働ロボットを停止させる安全対策や締め直す再作業のプログラムを組むことができる。これによって不良品の次工程への流出を防ぐ。ユニバーサルロボット 日本支社 代表の山根剛氏は「e-Seriesから、新たに力覚/トルクセンサーが内蔵された他、ねじ締めに対応するテンプレートも追加されている。ユーザーから見た自動化のしやすさは格段に上がっている」と語る。
UR+への対応には3年程を要したという。通常は1年以内で終えるケースも多いというが、コロナ禍を挟んだ上に「ソフトの部分に慣れたスタッフが少なかった」(羽賀氏)という。協働ロボットを安全柵なく使うためには使用環境に応じたリスクアセスメントが要る。ロボットが停止した時には電動ドライバーも安全に止めなくてはならない。そういったこれまでにはない動作の設定があった他、海外のユニバーサルロボットのスタッフと英語を介したやりとりも生じるなどして時間がかかった。
ハイオスではフェーズ1として日本、中国で販売し、フェーズ2では東南アジアに拡大する。初年度に年間100台の販売を目標としている。さらに、UR+対象製品の拡大も予定している。「電動ドライバーに限らず、周辺機器や開発中の製品もUR+に対応していきたい。例えば、トルクメーターなど計測機器の自動化を実現できれば、管理者の負担も軽くできる」(羽賀氏)。
ユニバーサルロボットの山根氏(左)とハイオスの羽賀氏(右)[クリックで拡大]
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