ユニバーサルロボットは2022年6月22日、同社の製品として最大となる可搬重量20kgの協働ロボット「UR20」を発表した。リーチは1750mm、標準TCP速度は2m/sで、サイクルタイムの短縮を実現する。
ユニバーサルロボット(Universal Robots)は2022年6月22日、同社の製品として最大となる可搬重量20kgの協働ロボット「UR20」を発表した。日本では2023年4〜6月の出荷開始を予定している。
リーチは1750mm、繰り返し精度は±0.05mmで、標準TCP(ツール・センター・ポイント)速度は2m/sと従来機の1m/sから向上し、サイクルタイムの短縮に貢献する。また、新たなジョイント構造で部品点数を50%削減し、故障頻度を少なくし、修理も容易にした。主に重量物のパレタイジング用途を想定しているが、加工機のワークの付け替え、溶接などへの提案も予定している。
ユニバーサルロボット 日本支社代表の山根剛氏はオンラインで行われた記者発表会で「中小企業からは、スペースの問題で箱を平積みして出荷する工程がなかなか自動化できない、という声を聞いている。UR20はリーチが長く、可搬重量も大きいため、これまでできなかった作業領域の自動化を提案できる。顧客が求めるサイクルタイムの短縮にも対応できる」と意気込む。UR20の価格については「現時点でまだ出ていない。2022年の10月以降には明らかにできるのでは」(同氏)とした。
2022年度の上期は販売台数、売上高ともに前年同期比増で推移、日本市場の拡大を感じている。「企業の間で協働ロボットへの認知がかなり広がってきている。3〜4年前は一部の企業だけが導入していたが、最近は自動車業界だけでなく電子部品や製薬業界でも使い始めている」(山根氏)。
一方で、障壁として日本の労働者の特殊性を挙げる。「海外と比べると作業内容が非常に多岐にわたり、かつ長期間勤務するので熟練している。日本の場合は完全な省人化ではなく、働いている人の能力をさらに高めたり、より負荷が少なく作業できるようにする提案が必要」(山根氏)だという。
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