PFUは、世界シェアトップとする同社のイメージスキャナー「fiシリーズ」「SPシリーズ」「ScanSnap」のブランドオーナーをリコーに変更すると発表した。
PFUは2023年1月24日、オンラインで会見を開き、世界シェアトップとする同社のイメージスキャナー「fiシリーズ」「SPシリーズ」「ScanSnap」のブランドオーナーをリコーに変更すると発表した。2022年9月にPFUの株主構成は富士通100%から、リコー80%/富士通20%に変更されていたが、主力製品のイメージスキャナーのブランドオーナーは富士通のままだった。2023年4月からリコーへのブランド変更を開始し、同年8月末までに完了する計画。なお、商品名に当たるプロダクトブランドは変えず、従来通り「fiシリーズ」「SPシリーズ」「ScanSnap」を使用する。
会見には、リコー傘下の新体制でPFU 代表取締役 執行役員社長に就任した村上清治氏が登壇した。村上氏は「PFUのスキャナーはドキュメントをデジタル化する入り口の役割を果たすことで強みを発揮してきたが、今後PFUが成長し、リコーグループの中でなくてはならない存在になるためには、さらに一歩踏み込んで、入り口からつながる業務改革を支援して顧客の“はたらく”を変えることに貢献し、リコーが掲げる2036年ビジョン『“はたらく”に歓びを』の実現につなげる必要がある」と語る。
2023年4月からPFUのスキャナー製品をリコーブランドに刷新する。商品名に当たるプロダクトブランドは変更しないので、機器上のシルク印刷や梱包箱ロゴなどの変更のみとなり、型名、仕様、機能は従来と変わらない[クリックで拡大] 出所:PFU今回のブランドオーナーの変更は、国内70%、米国40%でトップ、欧州でも33%という高いシェアに代表されるPFUのイメージスキャナーの商品力と、リコーが得意とするソフトウェア開発力を組み合わせて、シナジーと強みによる成長の実現を目指すための施策だ。
リコーの複合機やプリンタとブランドを一枚岩にしてグローバル販売力をはじめとする総合力を最大化するとともに、PFUとリコーの販売チャネルを通じてオフィスサービスに強みを持つリコーのソリューションとの親和性を深めて、スキャナーのさらなる付加価値を広く顧客に届けていく。
PFUのドキュメントイメージング事業のグローバル売上高目標としては、2022年度の約590億円から、2025年度には約20%増の約720億円まで伸長させる計画である。既存ビジネスのオーガニックな成長による640億円に、先述のシナジー効果やリコーグループが開拓する新規顧客への販売により80億円を積み増す。
なお、今回のブランド変更はドキュメントイメージング事業が対象で、装置や機械向けの組み込みコンピュータを扱うエンベデッドコンピュータ事業、インフラのSIerやマネージドサービスを手掛けるインフラカスタマサービス事業は対象になっていない。ただし、2022年11月に発表した新生PFUの経営方針に基づき、エンベデッドコンピュータ事業は「ハイエンド集中と顧客の深耕と高付加価値サプライヤーへの進化」、インフラカスタマサービス事業は「基盤となるサービス事業をベースに業務を改革する事業を創出する」を目標として、いずれも成長を目指していくとしている。
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