PFUは、工場内で増加の一途をたどるネットワーク接続機器の見える化やネットワークの状態把握を簡単に行える装置「iNetSec FC」を発表した。ネットワークに接続するだけで機器とネットワーク構成を自動で見える化する機能が最大の特徴であることから、同社は「ネットワーク見える化装置」と名付けている。
PFUは2021年10月27日、工場内で増加の一途をたどるネットワーク接続機器の見える化やネットワークの状態把握を簡単に行える装置「iNetSec FC」を発表した。ネットワークに接続するだけで機器とネットワーク構成を自動で見える化する機能が最大の特徴であることから、同社は「機器/ネットワーク見える化装置」と名付けている。また、ネットワークの負荷状況などからリスクの見える化も可能で、トラブルが発生した場合にもその影響範囲を把握してすぐに対処できるようになるという。価格(税別)は48万円で、保守やサポートを含めた1年間利用ライセンスバンドルが付く。2年目以降の1年間利用ライセンスの価格は36万円となっている。製品出荷は2022年2月末の予定だ。
IoT(モノのインターネット)の活用に向けて、工場のさまざまな機器がネットワークに接続されるようになっている。センサーやカメラなど接続機器の数が増え続ける中で、それらの一部はWi-Fiなどを使った無線接続も行われているが、安定稼働を重視する工場の場合ほとんどの機器は有線ネットワークによって接続されているのが実情だ。この有線ネットワークで何らかのトラブルが発生した場合、トラブルの原因を見つけ出すまで生産が停止してしまい、工場の操業に大きな影響を与えてしまう。
また、これらのネットワークを管理する生産技術部門の担当者にとってもさまざまな悩みがある。PFU コンピュータプロダクト事業本部 ネットワークプロダクト事業部 エッジネットワーク部 マネージャの伴仲輝大氏は「ネットワーク管理を行うための製品は主にIT向けであり、取り扱いが難しい上に高価で生産現場で利用するのに適さないものがほとんどだ。このため、機器とネットワークの管理は手作業で行っていることが多く、生産ラインの組み替え時などのネットワーク変更で時間と手間がかかってしまう。万が一トラブルが発生した場合には、ネットワークの専門家ではないため対応に苦慮することも多い」と語る。
実はPFUでは以前に、石川工場(石川県かほく市)内のPCや制御機器1000台以上を接続するネットワークにトラブルが発生し、原因究明に時間を要したためライン全てが半日停止する事態に陥ったことがある。そしてその原因というのは、ネットワーク接続に利用していた市販品(数千円)のスイッチングハブの故障だった。
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