SocoCacicoを開発するに至った背景については前述の通りだが、その実現には、SOLIDWORKS、そして、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームの活用が大いに役立っているという。
同社はコロナ禍が始まる少し前から、不整地用の4足歩行ロボット(犬型ロボット)の開発に取り組んでいたが、コロナ禍で部品/材料不足、半導体不足などの課題に直面し、思うように開発が進められなくなったことを受け、開発を一次停止せざるを得ない状況に陥っていた。
実は、この一連の犬型ロボットの開発についても、SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEプラットフォームを用いており、設計済みの3Dモデルなどのアセットをうまく流用しつつ、3Dプリンタや自社開発のモータードライバなどを活用することで、省スペース化および可動域の拡張などを実現したSocoCacicoのロボットアームの実機を製作できたという。
「犬型ロボットとは見た目は異なるが、3DEXPERIENCEプラットフォームによって、シームレスに、ほぼ開発しないで済むくらいの感覚で作業が進められた。コンセプトスケッチから設計、実機の完成まで、実際には3~4カ月程度かかるところを、1カ月強というスピード感で実現できた」(加藤氏)
その他の利点として、加藤氏はSOLIDWORKSを用いた設計のしやすさ、3次元曲面を含むモデルの立ち上がりの速さを挙げる他、3DEXPERIENCEプラットフォームの活用によって、同社エンジニアと顧客とのコミュニケーション/コラボレーションの促進にもつながり、作業性や効率が向上したとしている。
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