ジェイテクトは「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、CNC円筒研削盤「G3P100L」など最新の5機種を出展した。いずれの機種も「圧倒的生産性」「抜群の品質」「こだわりの操作性」を訴求している。
ジェイテクトは「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、CNC円筒研削盤「G3P100L」など最新の5機種を出展した。いずれの機種も「圧倒的生産性」「抜群の品質」「こだわりの操作性」を訴求している。
G3P100Lは同年10月20日に発表された「G3 Series」の中で、最高位の精度レベルを実現するタイプLになる。変形と熱変位の複合解析により、機械構造の最適解を反映した設計を行っている。サーマルマネジメントシステムを取り入れ、熱対策に加えて砥石の摩耗量を正確に把握することで、寸法変化±1.5μmを達成した。
ステアリングメーカーとしての技術を生かした「ステアバイワイヤハンドル」を開発した。砥石が工作物と接触して負荷を感知するとモーターに荷重をかけて、その信号をハンドルに伝えることで手動機のような感覚を作業者に与える。
「もともとは油圧式に慣れた熟練者のために、NCでもハンドルの重さを感じる機能があってもいいのではと開発につながった。ただ、熟練者はハンドルの重みだけでなく、砥石が当たった時の火花の様子や音で加減を加えることができる。そのため、慣れていない作業者に負荷を感じて安全に使ってもらう機能としても提案している。展示会でどういう反応があるのか見てみたい」(説明員)。
同年6月に発表した横形マシニングセンタ「FH5000S-i」は、ワークの取り付け、取り出しを行う協働ロボットと共に展示した。軸受とハウジングの大径化により主軸剛性が従来機比36%向上した他、スラントコラム構造、ガイド幅の最適化により機械剛性も同20%向上している。また、伝熱と変位の複合解析でねじれないプラットフォームを豊田中央研究所と共同開発、段取り作業も対話方式のプログラミングで簡単に行うことができる。自社製主軸用軸受を搭載し、高速主軸にグリス潤滑方式を採用したことで主軸エア消費量を80%削減した。
ジェイテクト初の立形複合研削盤「G3VU86」は、ジェイテクトマシンシステム(旧光洋機械工業)との共同開発によって生まれた。立形マシニングを手掛けてきたジェイテクトと、立形研削盤のジェイテクトマシンシステムのノウハウを結集した。クイル長さを80mmから300mmに伸ばしたことで研削点剛性が向上し、深さ最大600mmまでを削り切ることが可能になった。ワークを反転させることなく、ワンチャックで研削でき、精度のバラつきが生じない他、生産性も高めることができる。「クイルが長くなった分、回転抵抗が起こるが、その課題に対処した上で精度を維持した」(説明員)。大型建設機のモーターのハウジングやジェットエンジンの部品などを対象ワークとしている。
広幅円筒研削盤「C6040E」は直径120mm、全長400mmの全外径同時研削を可能としており、EV(電気自動車)に搭載されるモーターシャフトの量産を担う。こちらもジェイテクトマシンシステムが持つセンタレス研削盤とジェイテクトが有する円筒研削盤の技術を融合した。「従来は同様の部品を削ろうとすると円筒研削盤を3台使用していた。それが1台でできるようになり、スペースも小さくできる上、加工時間も短くなる」(説明員)。
その他、同社のIoT(モノのインターネット)ソリューション「稼働アップNavi Pro」を用いた、展示機の消費電力の見える化機能も紹介した。
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