エッジコンピューティングの逆襲 特集
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» 2022年11月08日 07時00分 公開

μITRON/POSIX互換のRTOS「eCos」はカーネルもオプション!?リアルタイムOS列伝(28)(3/3 ページ)

[大原雄介MONOist]
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問題はサポートデバイス、商用版の「eCosPro」も選択肢に

 問題はサポートデバイスである。先に挙げたようにeCosの最新バージョンは3.0で、ターゲットデバイスはARM、CalmRISC、Cortex-M、FR-V、FR30、H8、IA32、68K/ColdFire、Matsushita AM3x、MIPS、NEC V8xx、PowerPC、SPARC、SuperHとなっている。のだが、サポートハードウェアのWebサイトをご覧いただくと分かるが、既にWebサービスのメンテナンスができてないようで、まともに表示ができないありさま。ダウンロードのページに行くと現在の3.0でサポートされている内容が、以下のように示されている。

  • ARM(ARM7TDMI、ARM9、Cortex-M、XScale):GCC 4.6.3
  • ARM(ARM7DI、StrongARM):GCC 3.2.1
  • ColdFire:GCC 4.3.2
  • x86:GCC 4.3.2
  • MIPS32:GCC 4.3.2
  • PowerPC:GCC 4.3.2
  • SuperH:GCC 4.3.2

 現時点でのGCCの最新バージョンが12.2(13.0はまだ開発中)ということを考えると、まず環境をそろえるのが一苦労だ。またeCosのダウンロードも、ミラーサイトがかなり死んでいる(http://mirrors.kernel.org/sources.redhat.com/ecos/およびhttp://mirror.facebook.net/sourceware/ecos/の2つはまだ生きていることをは確認した)という状況である。

 ではeCosCentricは何をやっているのか? というと、製品版であるeCosProに注力している。こちらはオープンソースソフトウェアではなく、ライセンスを購入する必要がある商用製品だ。eCosCentricは、どうもGNUのソフトウェアを全て書き換えたもようで、ここまで説明したeCosの特徴そのものは継承しつつも、独自のRTOSとして生まれ変わった形だ。

 最新版のVersionは4.1に上がっている。eCosProのDeveloper Kitでサポートされているプラットフォーム一覧はこちらのWebサイトで確認できるが、もう少し新しいCortex-A5やCortex-M7、NIOS IIなどもターゲットに入っている。「Raspberry Pi」などもサポートされているので、お手軽に試すならこのあたりを選ぶのがよいだろう。

 μITRON互換APIといったeCosの特徴もそのまま継承されている(図4)。ちなみに有償製品と言いつつ、実際にはeCosPro Non-Commercial Public License(非商用向けに無償での利用可)とeCosPro License(商用向けライセンス)が提供されているので、まずは無償版で試してみてはいかがだろうか。

図4 図4 「eCosPro」の構成。ドライバなどは同じだが、ファイルシステムやlwIPのサポート、HALの充実などが目を引く[クリックで拡大]
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