超急速充電を2030年までに全国7000カ所、チャージステーション事業を開始電動化

パワーエックス(PowerX)は2022年10月27日、EV(電気自動車)の超急速充電(出力100kW以上)ネットワーク事業「PowerX チャージステーション」を開始すると発表した。2023年夏に東京都内など10カ所で営業を開始し、2030年までに全国7000カ所に展開する。

» 2022年10月28日 07時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 パワーエックス(PowerX)は2022年10月27日、EV(電気自動車)の超急速充電(出力100kW以上)ネットワーク事業「PowerX チャージステーション」を開始すると発表した。2023年夏に東京都内など10カ所で営業を開始し、2030年までに全国7000カ所に展開する。

 PowerX チャージステーションは、太陽光発電など再生可能エネルギーによる電力を容量320kWhの大型蓄電池に蓄えてEVを充電する。出力は最大240kWで、EVの充電時間を大幅に短縮するとしている。大型蓄電池は災害時などに非常用電源として使うこともできる。

 2023年の営業開始や2030年に全国7000カ所への設置に向けて、成田国際空港、森トラスト、伊藤忠商事、パワーエックスが本社を置く東京ミッドタウンの運営会社などと導入に向けた検討を開始した。

PowerX チャージステーションの利用イメージ[クリックで拡大] 出所:パワーエックス

 富士経済が2021年末に発表した充電器の国内市場調査では、コネクター数ベースの市場規模は急速充電が2020年比62.3%増の1万2700個と見込まれている。普通充電器と同様に2010年ごろに設置された充電器の更新が進むとともに、「充電渋滞」への対策や大出力機の追加など増設での需要拡大が予想されるという。

 政府は2030年までに公共用急速充電器を3万基に増やす目標を掲げているが、本体だけで100万円超となる価格の高さや設置費用などを含めた導入コストの負担が大きく、設置した事業者が投資を回収するまでに時間も要する。現状も設置場所はディーラーや高速道路などにとどまっている。富士経済は、導入コストに対する助成制度など政府による早期の対策が必要だとしている。

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