京都大学は、相手の発話の音声的な特徴に基づき、人が笑ったときに適切に笑い返せる会話AIを搭載したロボットを開発した。同調笑いを適切に返すことで、ロボットによる共感やロボットの人間らしさが向上することが分かった。
京都大学は2022年9月29日、相手の発話の音声的な特徴に基づき、人が笑ったときに適切に笑い返せる会話AI(人工知能)を搭載したロボットを開発したと発表した。
人間には、相手が笑ったときに合わせて自分も笑う、同調笑いという振る舞いがある。ただし、失敗談など苦笑いのときは笑わないほうがよいなど、相手が笑った場合に全て笑い返しているわけではない。また、笑い返す場合でも、社交的な笑いか大笑いかのように、笑い方を適切に選択している。
研究グループは、初対面の男女による会話データから、同調笑いが生じた箇所と一方だけが笑っている箇所を抽出。音声的な特徴から、相手が笑ったか、自分も笑うか、笑う場合はどのように笑うかを判定する3つのモデルを構築した。
このモデルを自律型アンドロイド「ERICA」に統合し、同調笑いの機能を搭載した会話ロボットを作製した。機能の有効性を評価するため、ERICAと人間が話している音声をクラウドソーシングで募集した130人が聴き取る試験を実施した。その結果、同調笑いを適切に返すことで、ロボットによる共感やロボットの人間らしさが向上することが分かった。
今後、高齢化社会において、人と共生する会話ロボットおよびAI実現への寄与が期待される。
幸せホルモンのオキシトシンを生体の脳内で検出する蛍光センサーを開発
新型コロナ患者の尿中に排せつされる脂質代謝物を発見
医師のアイデアを基に流体解析を駆使して開発したパーソナル飛沫防護デバイス
3Dプリンティング技術を活用した下顎骨再建用の体内固定用プレートを発売
安全な手技をサポートする開腹手術用エネルギーデバイスを海外展開
表面のナノ突起が骨の質を高めるチタンインプラントを開発Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
医療機器の記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム