オンセミ(onsemi)は米国ニューハンプシャー州ハドソンに建設していたSiC(炭化ケイ素)生産施設の落成式を行ったと発表した。SiCの生産能力は2022年末までに前年比5倍に拡大する。
オンセミ(onsemi)は2022年8月16日(現地時間)、米国ニューハンプシャー州ハドソンにあるSiC(炭化ケイ素)ブールの生産施設の拡張を完了したと発表した。
今回の拡張により、SiCウエハーを切り出す前の単結晶材料であるSiCブールの生産能力は2022年末までに拡張前と比べて5倍に拡大する他、ハドソンの生産施設に勤務する従業員も同約4倍に増員する。
同施設は、オンセミが2021年8月に約4億1500万米ドルで買収を発表したGT Advanced Technologies(GTAT)が保有していたもので、事業統合によりオンセミの傘下に加わった。GTATの買収によりオンセミは、SiCブールの原料となるSiC粉末とグラファイトの調達から、完全にパッケージ化されたSiCデバイスを顧客に納入するまで、SICデバイスを供給するための一貫生産体制がより強固になったとしている。
オンセミ エグゼクティブバイスプレジデント 兼 パワーソリューションズグループ ゼネラルマネジャーのサイモン・キートン(Simon Keeton)氏は「当社のエンドツーエンドで垂直統合したソリューションは強力で差別化のある競争優位性だ。SiCウエハーの生産能力の増強に伴い、既に2棟目を増築しており、今後も増設を続ける」と話す。
カーボンニュートラルの推進を背景に、EV(電気自動車)や次世代送電システムなどに使用されるSiCデバイスの需要増大が見込まれており、SiCの市場規模は2021年の20億ドル(約2200億円)から2026年には65億ドル(約7800億円)に年平均成長率33%で拡大すると予測されている。
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