セールスフォース・ジャパンは2022年7月12〜19日にかけて、製造業など業界別のデジタル変革などを紹介する「Salesforce Industries Summit」を開催した。本稿では、ヒロセ電機による「Manufacturing Cloud」の導入事例に関する講演を取り上げ、紹介する。
セールスフォース・ジャパンは2022年7月12〜19日にかけて、製造業など業界別のデジタル変革などを紹介する「Salesforce Industries Summit」を開催した。本稿では、ヒロセ電機による「Manufacturing Cloud」の導入事例に関する講演を取り上げ、紹介する。
Manufacturing Cloudは製造業に特化して、販売計画や取引先販売予測、目標設定、リベートマネジメントなどの機能を提供するソリューションである。今回の講演では、以前からセールスフォース製品である「Sales Cloud」を活用していたヒロセ電機が、Manufacturing Cloud導入に至った経緯などを語った。
ヒロセ電機では以前から「Sales Cloud」を活用して販売計画に役立てていたが、運用上の課題がいくつか存在したという。1つ目はカスタマイズに関する課題である。ヒロセ電機の製品が顧客に採用された後の、繰り返し注文に対する販売予測がうまくこなせなかった。同社 管理本部 IT統括部 情報システム企画課 副参事の田島賢一氏は「こうした繰り返し注文をシステムのカスタマイズで対処していたのだが、そのせいで販売予測に対して実績データを連携できない、顧客要望に対応しづらいという状況に陥っていた」と振り返る。
また、そもそもヒロセ電機自身がSales Cloudのリード機能や顧客接点管理機能などを活用しきれておらず、独自の方法で使っているなどの問題もあった。
そこでManufacturing Cloudを導入することでこうした課題を解決することを目指した。Manufacturing Cloudでは販売計画に対して案件やプロジェクトがひも付き、構造化されて管理される。このため、繰り返し注文の実績も販売計画に連携することが可能だ。またManufacturing Cloudの導入が、マーケティングや営業活動の目的を再整理した上で、Sales Cloudでは使いこなせなかった標準機能の再点検を行う機会にもなると判断した。
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