2007年8月1日の誕生から、ついにMONOistは15周年を迎えました。本記事では15年間支え続けていただきました読者や広告主の方々に感謝を述べるとともに、15周年記念読者調査から見る製造業の将来と期待について紹介します。
2007年8月1日に産声を上げた、モノづくりスペシャリストのための情報ポータル「MONOist」は15周年を迎えました。ここまで無事にメディアを運営し続けてこれたのも、支えてくれた読者の皆さま、広告主の皆さま、そして多くの記事を執筆いただいたライターやスタッフのおかげだと考えております。あらためて御礼を申し上げます。
さて、MONOistが生まれてからの15年を振り返ってみると、日本のモノづくりを取り巻く環境は、まさに激動というべく大きく急激な変化に翻弄された期間でした。10周年時に振り返った際は、モノづくりの在り方の変化による日本の製造業の立ち位置の低下などについて触れました。ただ、そこからの5年間はコロナ禍やそれに伴うモノ不足、地球環境への対応の過熱、ロシアのウクライナ侵攻など、世界レベルでの社会や生活の変化が巻き起こり、それに対し企業、製造業としての在り方が問われる状況が生まれていました。
MONOist編集部が15周年記念読者調査として行ったアンケートにおいても「ここ最近の製造業における一番大きな変化は何だと思いますか」という質問に対し、半導体不足や材料不足、これに関するサプライチェーンリスクについて指摘する声が多く寄せられました。また、カーボンニュートラルや脱炭素、SDGs(持続可能な開発目標)、長期化するコロナ禍への対応、ロシアによるウクライナ侵攻などを挙げる人も多くいました。同時に、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、デジタル化を含めたDX、これらを活用した自動化などにも非常に高い関心が示されていました。
大きな変化が頻発する先の読めない世の中だからこそ、完璧に予想して準備を行うことは不可能な時代です。だからこそ、変化に合わせる柔軟性が重要になり、それを実現するためにデジタル技術を取り入れ、それを前提とした新たなモノづくりへと移行しようとしているのだといえます。5年前はモノづくりにおいても「現地現物現実」の原則なども含め、まだデジタルシフトは当たり前のものとして受け入れられていたとはいえず、ほとんどが「リアル」で行われているのが一般的な姿でした。しかし、コロナ禍でリアルでの活動が制限される中、デジタル環境でさまざまな業務が行えることが証明されました。
当然モノづくりというモノを扱う業務である以上リアルが重要な価値を持つことは変わりません。しかし、リアルでしかできない業務とリアルでなくてもできる業務を切り分け、リアルの価値とデジタルの価値を組み合わせて最大化し、業務を構築していくという考え方に一歩進んだのだと考えます。その意味でも、モノづくりにおいてもデジタルシフトが本格化したこの5年だったといえるのではないでしょうか。
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