東芝デジタルソリューションズは「日本ものづくりワールド 2022」(リアル展、東京ビッグサイト、2022年6月22〜24日)内の「第34回 設計・製造ソリューション展(DMS)」に出展し、複雑に絡み合うサプライチェーンを、ネットワーク型で一元管理する「サプライチェーンプラットフォームサプライヤポータル」を参考出品した。
東芝デジタルソリューションズは「日本ものづくりワールド 2022」(リアル展、東京ビッグサイト、2022年6月22〜24日)内の「第34回 設計・製造ソリューション展(DMS)」に出展し、複雑に絡み合うサプライチェーンをネットワーク型で一元管理する「サプライチェーンプラットフォームサプライヤポータル」を参考出品した。
半導体不足や材料価格の高騰、コロナ禍による物流の停止などにより、ここ数年はサプライチェーンの混乱が続いている状況だ。日本の製造業では以前から、さまざまな災害によるサプライチェーンへの影響に対し、さまざまな対策を練ってきており、1次サプライヤーだけでなく、2次や3次のサプライヤーや製造拠点などの管理を行ってきている。ただ、昨今のサプライチェーンは複雑に絡み合い、サプライヤーをさかのぼっていけば、1つの工場の1つの部品が全てのサプライチェーンの要となっていたというようなケースも見られている。
こうした状況を正しく把握するために東芝デジタルソリューションズが参考出品したのが「サプライチェーンプラットフォームサプライヤポータル」である。これはサプライチェーンをネットワーク型で捉え、さまざまなサプライヤーが参画するプラットフォームとする仕組みだ。
「フロー型のサプライチェーン管理は、バイヤーの立場でサプライヤーを一元管理を行うためには都合がよい。しかし、ネットワーク化が進み複雑に絡み合うサプライチェーンの現状を正しく理解するためには不十分な面もあった。新たなプラットフォームでは、サプライチェーンを構成するサプライヤーが参加しそれぞれのつながりを表現することで、源流までさかのぼって影響度の高い部品などを直感的に把握できる。また、天災などの不測の事態が発生した場合なども、従来は影響について1次サプライヤーから2次サプライヤーへとさかのぼって把握しなければならなかったが、同プラットフォーム上で発信すれば、即座に影響度を把握できるようになる」(担当者)。
ネットワーク型のサプライチェーンを把握するプラットフォームの基幹技術については既に完成しているというが、普及に向けては「誰がどのように使うのか」というところがポイントになる。東芝デジタルソリューションズでは、従来のフロー型でサプライチェーンを把握する戦略調達ソリューションとして「Meister SRM」を展開しているが「最終完成品を製造するような強いバイヤー側の立場では、従来のMeister SRMなどを活用した方が生きる場面も多いと考えている。ただ、1次サプライヤーのように、上流と下流があるようなメーカーにとっては、新たなソリューションも反応が良い」(担当者)としている。普及についても「1次サプライヤーが声をかけて、2次、3次サプライヤーが同ポータルに参加するような流れが理想的だと考えている」(担当者)としている。
今後はサプライチェーンでのCO2排出量の管理や、トレーサビリティーによる品質情報の管理など、サプライチェーンでの情報のやりとりがこれまで以上に増えることが想定されているが「つながることで見える情報を新たな価値につなげていくことができる」(担当者)と価値を訴えている。同ポータルは今後プロトタイプの実証を行い、2022年度中に製品化を目指しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.