米Stratasysの日本法人であるストラタシス・ジャパンは、Stratasys CEOのYoav Zeif(ヨアブ・ザイーフ)氏の来日に併せて、東京本社でメディアラウンドテーブルを開催。Stratasysの事業戦略や日本市場での展開について説明した。
米Stratasys(ストラタシス)の日本法人であるストラタシス・ジャパンは2022年6月20日、Stratasys CEOのYoav Zeif(ヨアブ・ザイーフ)氏の来日に併せて、東京本社でメディアラウンドテーブルを開催。Stratasysの事業戦略や日本市場での展開について説明した。
冒頭、ザイーフ氏は「3Dプリンタは試作領域、いわゆるラピッドプロトタイピングで多く活用されているが、この領域での成長は鈍化しつつある。ストラタシスは今後、3Dプリンタ/アディティブマニュファクチャリングの市場の伸びが期待される、製造領域へシフトしていく」と事業の方向性について説明する。
製造領域での3Dプリンタ活用の現状を見ると、まだ小規模な利用にとどまっているが、コロナ禍におけるサプライチェーンの問題の解決策として、世界中で3Dプリンタが活躍した事実が示すように、従来の製造技術にはない強み、3Dプリンタを活用したデジタルマニュファクチャリングの実現への期待は大きい。そのポテンシャルとして、2025年に3Dプリンタの市場規模は400億米ドル以上になるとの調査結果もあるほどで、そのうち約60%が樹脂3Dプリンティングによるものだという。
将来的な製造領域での3Dプリンタ活用の伸びについて、ザイーフ氏は「現状、3Dプリンタの製造領域における活用が20%、試作領域での活用が80%を占めているとすると、2025年にはその比率が逆転し、80%が製造領域で活用されることになる」との見解を示す。
製造領域を含めた3Dプリンタ市場に対して、ストラタシスは5つの樹脂3Dプリンティング技術(造形方式)を保有、それらを展開することで競合優位性を発揮して、引き続き3Dプリンタ市場をけん引していくという。具体的には、マテリアルジェッティング、SLA(Stereolithography)、FDM(Fused Deposition Modeling)、DLP(Digital Light Processing)、SAF(Selective Absorption Fusion)の5つの技術であり、これらの方式を採用した製品ラインアップを展開している。
また、ストラタシスの3Dプリンタはデジタルマニュファクチャリングを実現するための周辺ソフトウェアとの連携によるエコシステムが強みであるとともに、材料においても「マテリアル・エコシステム」により、材料メーカー各社との協業による検証済みのオープンマテリアルの開発にも注力し、さまざまなニーズに対応する。
ザイーフ氏は、2013年にストラタシスの一員となったMakerBotについても言及。「3Dプリンタ活用の裾野を広げる意味で重要な、エントリー向けFDM方式3Dプリンタの今後の展開に関しては、MakerBotとUltimakerが合併し設立した新会社がその役目を担う」(ザイーフ氏)とし、ストラタシス自身の製造領域へのシフトの方針に併せて、それぞれの役割を明確にした。
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