人協働ロボットを活用した、冷凍フライ投入システムを開発 : FAニュース
デンソーウェーブとアールティは共同で、人協働ロボット「COBOTTA PRO」を活用した冷凍フライ投入システムを開発した。食品工場で人の手で実施している、冷凍フライの取り出しからフライヤー投入までの作業を自動化する。
デンソーウェーブは2022年5月24日、アールティと共同で、人協働ロボット「COBOTTA PRO」を活用した、冷凍フライ投入システムを開発したと発表した。食品工場での危険作業、人手作業の負担を軽減する。
同システムは、食品工場で人の手で行っている、冷凍フライの取り出しからフライヤー投入までの作業を自動化する。ロボット本体は、デンソーウェーブのCOBOTTA PROを使用。画像認識システム、ロボットのハンド部分、投入用コンベアは、アールティが開発した専用品を採用している。
冷凍フライ投入システム[クリックで拡大] 出所:デンソーウェーブ
ロボットは、食品用コンテナにバラ積みされた冷凍フライを1つずつカメラで認識し、コンベアに載せて自動フライヤーに投入する。山積みされたり、たまったパン粉などで境目がはっきりしない状態でも、不定形物を見分ける画像認識技術により1つずつ区別できる。
冷凍フライ投入システムの流れ[クリックで拡大] 出所:デンソーウェーブ
油の近くでの投入作業をロボットに置き換えることで、危険作業や人手作業を軽減できる。ロボットの周囲に柵を必要としないため、大がかりな自動化装置の導入が難しい場所にも設置可能だ。
両社は今後、自動フライヤーとも連携し、食品ロスや作業者の負担軽減に取り組むことも検討している。
“使えない協働ロボット”打破へ、「COBOTTA PRO」で目指したもの
デンソーウェーブは2022年3月に協働ロボットの新製品「COBOTTA PRO」シリーズを発表。新製品の紹介を含めて商品説明会「DENSO Robotics Expo 2022」を東京、大阪、愛知の3会場で展開した。高速動作が可能で簡単に使えることが特徴の協働ロボットの開発のポイントについて、デンソーウェーブ ソリューション事業部 FAシステムエンジニアリング部 部長の澤田洋祐氏に話を聞いた。
協働ロボットの不満を埋める、デンソーウェーブが高速で“簡単に使える”新製品
デンソーウェーブは2022年3月1日、同年4月に発売予定の、高速動作と“使える”簡単さを実現した協働ロボット「COBOTTA PRO」シリーズの詳細について説明会を開催した。
冷凍フライ投入システムを初披露、山積み状態でも材料を的確に認識
デンソーウェーブは「FOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)」(2022年6月7〜10日、東京ビッグサイト)において、協働ロボットを使った冷凍フライ投入システムを紹介した。人協働ロボットによる自動クレープ調理システムも出展した。
事例で振り返る協働ロボットの使いどころ
成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。第14回では、「使いどころを探すのに苦労する」という声の多い協働ロボットについて、実際の事例をベースに紹介します。
協働ロボットはコロナ禍の人作業を補う手段となり得るか
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による混乱は2021年も続きそうな兆しを見せている。製造現場でも人の密集や密閉空間による作業が制限される中、これらを回避するために人作業の一部を代替する用途で期待を集めているのが協働ロボットの活用だ。2021年はコロナ禍による働き方改革も含め、製造現場での協働ロボット活用がさらに加速する見込みだ。
協働ロボット普及のカギは「用途別パッケージ」、2020年は“第3の道”にも期待
人口減少が加速する中、製造現場でも人手不足が深刻化している。その中で期待を集めているのがロボットの活用だ。特に協働ロボットの普及により人と同一空間を活用し新たな用途開拓が進んでいる。2020年はこれらの技術進化による普及が本格的に進む一方で、「人」との親和性をさらに高めた“第3の道”の登場に期待が集まっている。
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