バッファローが法人向けWi-Fiに本腰、中規模ユーザー向けラインアップを強化製造業IoT(2/2 ページ)

» 2022年06月06日 13時00分 公開
[長沢正博MONOist]
前のページへ 1|2       

法人向け市場ではまだ認知度が低い

 バッファローの法人向け事業は、法人向け無線アクセスポイント「AirStation Pro」が2001年の販売開始から2021年末までに累計販売145万台、法人向けNAS(Network Attached Storage)「TeraStation」が2004年から2021年末までに累計販売115万台を突破するなど拡大している。しかし、家庭向けと比べると「法人向け市場ではまだ認知度が低いのが実情」(バッファロー 常務取締役の横井一紀氏)となっている。

 そこで、テレワークの導入やBCP(事業継続計画)策定が特に遅れている中小企業への支援を、人手・IT人材不足、BCP対策、テレワークや業務デジタル化のインフラ構築の3つの軸で強化し、さらなる拡大を図る。

中小企業ではBCPやテレワークの導入が遅れている 中小企業ではBCPやテレワークの導入が遅れている[クリックで拡大] 出所:バッファロー

 人手、IT人材不足については、機器導入後に無料でリモート管理する「キキNavi」を2019年から開始し、登録法人5200社、登録台数2万5000台(いずれも2022年3月末時点)に達している。2022年冬からは製品購入時に販売店が開梱せずにキキNaviへの機器登録などが可能になる「キキNaviクラウドゼロタッチ」をスタートさせる。

 BCP対策としては、フォルダ単位で管理できるNASに特化した「キキNaviクラウドバックアップサービス」を2022年2月から開始した。現在の1、3、5年という年単位の保守期間だけではなく、月単位で利用できるようにするサブスクリプションメニューも2022年冬には提供するという。

 テレワーク・業務デジタル化のインフラ構築では、10GbE対応の有線モデルのVPNルーター「VR-U500X」とWi-Fi 6対応の無線モデルのVPNルーター「VR-500W」を2022年5月に発売、同年7月にはL2P/IPsecに対応するファームウェアを配布する予定。さらに先述の「WAPM-AX4R」を8月上旬より投入する。

左から石丸氏、横井氏、富山氏 左から石丸氏、横井氏、富山氏[クリックで拡大] 出所:バッファロー

 世界的な半導体不足や原材料費などの高騰も続いている。「これほどモノが入らない経験はない。複数選択肢の確保など、あらゆる取り組みをして安定供給に努めている。ただ、無線アクセスポイントなど一部製品は7月に価格改定を予定している」(バッファロー 取締役の石丸正弥氏)。

 現在、総務省では無線LANに使われる周波数帯域の見直しが進んでいる。従来の2.4GHz、5GHzに加えて、新たに6GHz帯が開放され、新規格Wi-fi 6Eがスタートする見込みだ。「2022年の秋、もしくはそれより前に法改正が行われるだろう。今まで使えなかった周波数が使えるようになるため、混雑もなくなりチャンネル設定もより柔軟に行える。利便性がより向上する」(バッファロー 事業本部 法人マーケティング部長の富山強氏)。同社でも法改正が行われ次第、速やかに商品化を図るという。

⇒その他の「製造業IoT」の記事はこちら

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.