村田製作所は、「CEATEC 2021 ONLINE」(2021年10月19〜22日、オンライン開催)において、自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)向けのセンサーや関連技術を出展する。
村田製作所は、「CEATEC 2021 ONLINE」(2021年10月19〜22日、オンライン開催)において、自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)向けのセンサーや関連技術を出展する。超音波によってカメラの汚れを除去する圧電素子、V2X(車車間、路車間、歩車間通信)向けの路側インフラ、Wi-Fiを使った乗員検知など開発中の技術を提案する。いずれも早期の製品化を目指している。
自動運転の自動化レベルが上がるにつれて、搭載する周辺監視用センサーの個数が増えていく。悪天候でもシステムが動作するには、雨や泥などでセンサーの視界が奪われないことが重要になる。
村田製作所では、超音波でカメラなどについた水滴を取り除く雨滴除去デバイスを開発中だ。カメラなどセンサーモジュールの上部に設けたカバーガラスを圧電素子で振動させ、カバーガラス表面の水をミスト状にして飛ばす。周波数や電圧などで振動を変えることにより、氷や泥の除去にも対応できるという。
V2Xに関しては、車載用通信モジュールと、路側インフラの両方を開発している。車載用通信モジュールはDSRC(狭域通信:Dedicated Short Range Communications)とセルラーV2X(C-V2X)の両方に対応。地域ごとにDSRCとC-V2Xの普及状況が異なるため、1モジュールで、地域ごとに最適なシステムに接続できるようにした。路側インフラは、インフラを介した歩行者と車両の通信や5Gの普及といった進化に対応するとともに、PoE(Power over Ethernet)を可能とすることで、インフラとしての競争力を高める。
子どもなどの置き去りを防ぐためにNCAP(新車アセスメント)の項目に加わる車室内の乗員モニタリング向けに、村田製作所はWi-Fiの電波を使用する。競合他社の場合はカメラやミリ波レーダーを使用しており、Wi-Fiの電波を使うのは珍しい。Origin Wirelessとの共同開発だ。
Wi-Fiは、インフォテインメントシステムに通信機能の1つとして標準的に搭載され始めている。村田製作所の乗員モニタリングでは、インフォテインメントシステムのWi-Fiと、車室内に別途搭載したWi-Fiモジュールが接続し、モジュール間の通信状態をリアルタイムに解析することで、車内に残っている乗員を検知する。Wi-Fiはマルチパスで障害物をよけながらさまざまな経路で通信するため、車内に人がいれば通信が乱れることを利用している。子どもが眠ってしまった後など、動きが少ない状態でも検出できるという。
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