三菱電機は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、MaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)用の車両向けの乗員センシング技術を発表した。
三菱電機は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、MaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)用の車両向けの乗員センシング技術を発表した。
展示したセンシングは、脈拍や体表温度の測定と、2人の会話から音声を分離して発言内容を1人ずつ認識する技術だ。どちらもドライバーモニタリング用の近赤外線カメラを活用している。
生体センシングは、目視では分からない微小な肌の明るさの変化から脈拍測定する。カメラが顔を認識すると、数秒で脈拍の検知が可能になる。トラッキング技術を用いて、顔が動いても計測を継続できる。また、太陽光の波長の影響を受けにくい近赤外線カメラを使うことで、車内の使用環境に対応する。競合他社や大学などが可視光カメラで脈拍を測定する技術を研究しているが、三菱電機では車載用を前提に可視光カメラではなく近赤外線カメラを使用している。
会場では運転席を想定したデモンストレーションを実施したが、MaaS向けに乗員全員を検知することを目指している。開発技術は、医療用の脈拍センサーや肌に触れて測る接触型のセンサーと比べると誤差があるが、疲労や眠気、体調変化の検知に適用可能な精度で脈拍測定ができているという。ただ、化粧やヒゲが濃い場合は測定精度に影響が出る。今後は、体調変化や疲労を検出するアルゴリズムの開発と並行してさらなる精度向上に取り組む。
音声分離認識技術は、1台のドライバーモニタリング用カメラと4つのマイクで実現している。カメラで口の開き具合から発話しているかどうかを判断し、「運転席の人が喋っているときに運転席の方から聞こえる声がこれだ、というようにして発話を聞き分けている」(三菱電機の説明員)。
マイクだけでも2人の音声をある程度分離することはできるが、カメラと組み合わせることで認識精度が向上する。マイクとカメラは安価なもので対応できる。現在は運転席と助手席の2人の会話が対象となっている。三菱電機では、なるべくカメラを増やさず、音声分離認識技術の対象を乗員全てに広げることを目指している。
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