増える車載カメラ、各レンズの汚れに合わせて最適に自動洗浄するシステム安全システム

クラリオンは2018年12月27日、車両に複数台搭載されるカメラを、個々に自動洗浄する「Multi Camera Washing System(マルチ カメラ ウォッシングシステム)」を開発したと発表した。

» 2019年01月04日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 クラリオンは2018年12月27日、車両に複数台搭載されるカメラを、個々に自動洗浄する「Multi Camera Washing System(マルチ カメラ ウォッシングシステム)」を開発したと発表した。カメラのレンズの汚れを画像として検知し、カメラごとの汚れに合わせて最適に洗浄する。将来的には、カメラだけでなくLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)も洗浄対象とする計画だ。

マルチ カメラ ウォッシングシステムのイメージ(クリックして拡大) 出典:クラリオン

 自動運転システムや高度な運転支援システムは、周辺環境の認識に多数のセンサーを必要とする。カメラやLiDARといった光学系のセンサーは雨や泥、虫などの表面の汚れによって検知性能が低下してしまう。開発した自動洗浄システムにより、自動運転システムによる制御の継続を支援するとともに、洗浄液の消費量を抑制して洗浄液補充の手間を低減する。

 クラリオンは既に、1カメラを洗浄するシステムを製品化している。今回発表した自動洗浄システムは、従来の技術を拡充し、複数のカメラの汚れを検知する機能を含めたカメラECUを開発。これによってカメラごとの汚れを検知し、洗浄液とエアの供給装置を制御するポンプECUにレンズの汚れの情報を伝達する。ポンプECUは汚れに合わせて洗浄液やエアの供給装置と電磁弁を制御する。

 クラリオンは日立製作所の連結子会社から外れ、フランスの大手サプライヤーであるフォルシアの傘下に入る。日立製作所はフォルシア子会社が2019年1月下旬から行う公開買い付けに、保有するクラリオンの普通株式を全て応募する。日立製作所と日立オートモティブシステムズは、車両の制御にリソースを集中させていく。

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