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» 2022年06月04日 08時00分 公開

スクーター、子ども用のカート、ラジコンカー……小さな水素タンクを思い返す自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

さて、今週末は2022年スーパー耐久シリーズの第2戦となる富士24時間耐久レースが開催されます。バイオディーゼルエンジンや水素エンジンなどが市販車に近い状態で走るので、カーボンニュートラルに向けた各チームの試みが見どころの1つではないでしょうか。

[齊藤由希,MONOist]

 土曜日です。1週間お疲れさまでした。週の後半は天気が良くない地域も多かったですね。中には雹(ひょう)が降って大変だった地域もあったようです。クルマがへこむくらいですから、農作物はもちろん、建物にも被害が発生します。けが人も出ているようです。これ以上被害が広がらないとよいのですが……。

 さて、今週末は2022年スーパー耐久シリーズの第2戦となる富士24時間耐久レースが開催されます。バイオディーゼルエンジンや水素エンジンなどが市販車に近い状態で走るので、カーボンニュートラルに向けた各チームの試みが見どころの1つではないでしょうか。

 トヨタ自動車の水素エンジン車は2021年5月からスーパー耐久に参戦しており、1年を過ぎたところです。太陽光や地熱などで水素を製造するところから、水素の輸送、そして水素エンジンの性能改善まで、さまざまな取り組みが行われました。今回の富士24時間耐久レースでは、水素エンジンを搭載した「カローラ」のサスペンションメンバーに、製造時のCO2排出を大幅に削減した低CO2高炉鋼材を採用した他、会場の一部ブースの電力供給に水素専焼発電機を使用します。

 また、トヨタ自動車が先日発表したポータブルなサイズの高圧水素タンク「水素カートリッジ」も、富士24時間耐久レースの会場で展示するそうです。水素カートリッジのプレスリリースでは、ドローンやバイク、超小型モビリティ、発電機、家庭用の電源として、水素を活用できる可能性がイラストで紹介されています。

水素カートリッジの用途の可能性[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 燃料電池ドローンは既に開発している企業がありますし、2017年にはスズキが公道走行可能な燃料電池スクーターを発表しています(関連記事:スズキの燃料電池スクーターがナンバープレートを取得、静岡と福岡で走る)。水素カートリッジのような小さな水素タンクが普及することで、こうしたモビリティでの燃料電池活用がより一層進むと面白いですよね。

 小さな水素タンクという点で、数年前に取材した子ども向けの燃料電池車(FCV)の記憶もよみがえりました(関連記事:子ども向けに本気で作った、運転免許なしで乗れる燃料電池車)。圧縮水素ではなく、水素吸蔵合金という方式です。市販品ではありませんが、燃料電池駆動のラジコンカーもこのときの取材で見せていただきました。もちろん、ラジコンカーに水素タンクを搭載します。

この子ども向けのクルマ、燃料電池車なのです。黄色いところが水素タンクです(左)。このラジコンカーも燃料電池車(右)[クリックで拡大]

 ホンダが電気を運び、分け合うための“バケツ”として「モバイルパワーパック」の展開に注力しているように、水素を小分けにして活用する手段も、いろいろなサイズと方式で検討されていくと楽しみだなと思います。

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