2022年5月30日(ドイツ時間)、世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」が開幕した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大によって2020年には中止、2021年にはオンラインのみの開催になったため、リアル開催は2019年以来3年ぶり。会期は6月2日までの4日間で、60カ国から約2500社/団体が出展する。
2022年5月30日(ドイツ時間)、世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」が開幕した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大によって2020年には中止、2021年にはオンラインのみの開催になったため、リアル開催は2019年以来3年ぶり。会期は6月2日までの4日間で、60カ国から約2500社/団体が出展する。
1947年の初開催から75周年を迎えた同見本市。例年は4月に開催されていたがCOVID-19の感染状況を鑑み、今回は開催が5月に変更なったほか、会期も従来より1日短縮したうえで、デジタル版も並立するハイブリッド展示会としての開催となった。
今回、重点テーマとして掲げるのは「デジタル化と持続可能性」だ。出展する機械工学、電気産業、ソフトウェア、ITなどの各企業は、デジタル化および自動化によって効率的かつ少ないリソースで生産するネットワーク化された工場ソリューションなどを中心に紹介する。また、風力や太陽光発電、そしてグリーン水素による持続可能なエネルギー供給ソリューションなども数多く出展しており、主催者のドイツメッセは、「デジタル化、AI(人工知能)、自動化、持続可能なエネルギーの相互作用において、気候変動の世界的な課題に対する解決策を提示する」と説明している。
開催に先立って行われた会見でドイツメッセ代表のJochen Kockler(ヨッヘン・コックラー)氏は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰やサプライチェーン断絶、深刻化する気候変動など、「現在、世界は時代の転換期を迎えている」と言及。同メッセは、政治、ビジネス、産業のためのプラットフォームを提供することで、これらの課題解決に貢献するとしている。
2022年5月29日夜(ドイツ時間)に開催されたオープニングセレモニーでは、ドイツのOlaf Scholz(オラフ・ショルツ)首相も出席。壇上に立ったショルツ氏はデジタル化と持続可能な社会に向けた取り組みによる産業変革の緊急性は高まっているとし、「われわれは今、エネルギーの自立が国家の安全保障にとっても必須であることを、厳然たる事実として経験している。また、化石エネルギーから自立することは、気候政策の観点からだけでなく、ガス、石炭、石油の価格上昇を考慮すると、経済的観点からも賢明だ」と強調。同見本市が、産業変革を加速する機会を提供することへの期待を示していた。
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