2022年のハノーバーメッセはリアル開催、「デジタル化と脱炭素化」をテーマにFAニュース

世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」の主催者であるドイツメッセは2021年9月1日から2022年4月25〜29日にハノーバー国際見本市会場で開催される「ハノーバーメッセ 2022」の出展募集を開始した。

» 2021年09月10日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」の主催者であるドイツメッセは2021年9月1日から2022年4月25〜29日にハノーバー国際見本市会場で開催される「ハノーバーメッセ 2022」の出展募集を開始した。本稿ではイベント概要や開催に向けた思いについて、ドイツメッセ日本代表の竹生学史氏に話を聞いた。

photo ハノーバーメッセ2019のSAPブースの様子。その後、2020年、2021年はコロナ禍でデジタル開催となっている

 コロナ禍の終息が見えない不透明感がある中、ドイツメッセでは3年ぶりとなるハノーバーメッセのリアル開催を目指している。2022年のテーマは「Digitalization & Decarbonization(デジタル化と脱炭素化)」とし、インダストリー4.0を中心とした産業のデジタル化に関する展示と共に、世界中で盛り上がりを見せる脱炭素の動きについてより強く押し出す方針だ。また、パートナーカントリーとしてはポルトガルが選ばれている。

photo 「ハノーバーメッセ 2022」のフロアプラン

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株の動向次第で予測できないロックダウンが発生する可能性などもあるが、それでもリアル開催を進める理由として「展示の訴求力」についての問題があるという。竹生氏は「2021年のデジタル開催は、日本からの来場者が約5900人、出展企業も20数社となるなど、人数も多く、それなりの手応えはあった。ただ、セミナーやカンファレンスなどの評価は高いものの『展示部分についてはリアルの代替にはなり得ない』という声を多く受けた。この傾向は世界的にも同じで、ドイツメッセ全体としても『デジタル版はあくまでも補完機能にすぎない』という評価だった」とデジタル展示会の限界について語っている。

photo ドイツメッセ日本代表の竹生学史氏

 ただ、2022年4月は半年後ではあるものの、現状では不透明感が残るとする見通しが大半である。そこで、ドイツメッセでは、リアルでの展示会と共に、デジタル版も並立するハイブリッド展示会として開催。リアルの出展企業については、デジタル版への出展もパッケージとして付くようにした。さらに、担当者や企業が急に現地に行けなくなるような事態も想定し、代理スタッフをブース派遣するようなサービスも合わせて用意する。代理スタッフが現地でブース来訪者の対応を行い、適宜日本の担当者をオンラインでつなぎながら、対応を進められるようにする。「状況はギリギリまで読めないため、それに適宜対応できるような仕組みを提供したい」と竹生氏は語る。

 最後のリアル開催となった2019年のハノーバーメッセでは、来場者は21万5000人、出展社数は6500社となっており、その内日本からの出展社が84社となっていた。デジタル開催だった2021年は、来場者数は9万5000人で出展社数は1800社である。「2019年並みに戻るということは難しいと思うが、既に日本から数社は出展したいという声もいただている。2019年の6〜7割の規模では開催できるようにしていきたい」と竹生氏は述べている。

 また、リアル開催された場合、ワクチンパスポートや隔離期間なども含め、出展社以上に来場者へのハードルが高そうだが「来場できない希望者に向けて、オンラインツアーを実施するなど、それらをカバーする施策も今後検討する」(竹生氏)としている。

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