今回紹介するMatterport Axisがなくても、Matterport Captureをインストールしたスマートフォンがあれば、手持ちの状態で空間の3Dキャプチャー作業を開始できる。基本的に、Matterport Axisを用いた場合でも作業の流れは同じだ。
Matterport Captureを起動(初回起動時にセットアップ/ログイン作業が必要)し、[+]ボタンを押して新しいジョブを作成する。住所やモデルの情報を必要に応じて更新し、[保存]をクリックすることで撮影モードに入る。これ以降の操作は基本的にガイダンスが表示されるのでそれに従って作業を進めればよい。ちなみに、iPhone 12 Pro/13 Proであれば超広角カメラとLiDARスキャナが撮影に用いられる。
撮影は、画面に表示されている●マークと○マークの位置を重ね合わせるようにiPhoneを動かして、数秒静止するとシャッターが自動で切られ、また次の位置に●マークが表示されるので、再び○マークと重ね合わせて撮影する……といった作業を数回繰り返すだけだ。360度ぐるりと撮影し終わると処理が始まり、取得した空間の平面図がアプリ上に表示される。1つの空間でも1.2〜1.5mくらい移動しながら複数箇所で撮影した方が高精度に空間を3Dキャプチャーできるようだ。また、撮影者の身体ではなく、手に持っているスマートフォンを軸にして回転するのが撮影時のコツとなるが、これがなかなか難しい……。
平面図上にある撮影ポイントを示す数字マークを押すと、3Dビューでプレビュー表示が行える。また、映り込みが起きてしまう窓や鏡のある位置、不要な空間などを手動で指定してトリミングする機能も用意されている。データを確認して問題なければ、アプリ右上にある[アップロード]ボタンをクリックして、Matterportクラウドへデータを送る。
クラウド上では、同社独自のAI(人工知能)技術「Cortex AI」が撮影した2Dパノラマ画像や深度情報などを基に画像分析/合成処理を行い、3Dデジタルツイン(3Dモデル)へと変換してくれる。ちなみに処理が完了して配信可能な状態になると、アカウント作成時に登録したメールアドレス宛に処理が完了した旨の通知が届く。ちなみに、今回は15ポイント以上で作業を行ったが、撮影ポイントの数が多いとその分処理の時間もかかるようだ。
撮影モードに関しては、Matterport Captureの「オプション」からスキャン方式の変更が行える。今回はオプションとして、3Dモデル作成のために深度データを取得する「3Dスキャン」を選び、フロアを中心にスキャンできる「LiDAR スキャン」を選んでみた。なお、天井を含めてスキャンできる完全モードも用意されている。
作業の流れについて、より詳しく知りたい方は、Matterport Captureの使い方に関する公式のYouTube動画を参考にするとよいだろう。
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