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» 2022年04月11日 09時00分 公開

バナナから生まれた繊維素材「BANANA-CLOTH」、強度十分でアパレル製品にもサステナブル設計

バナナの廃棄材を活用した繊維素材の普及に取り組む「BANANA-CLOTH推進委員会」は、「第2回サステナブル ファッション EXPO」において、同素材を活用して製造したアパレル製品などを展示した。

[池谷翼,MONOist]

 バナナの廃棄材を活用した繊維素材の普及に取り組む「BANANA-CLOTH推進委員会」は、「第2回サステナブル ファッション EXPO」(2022年4月6〜8日、東京ビッグサイト)において、同素材を活用して製造したアパレル製品などを展示した。

「麻のような風合い」が特徴

 BANANA-CLOTH推進委員会はMNインターファッション、ソトー、貴志川工業、吉田染工、ループ、日本化繊、丸増の7社を理事とする組織で、バナナの廃棄材を基に作られた繊維素材「BANANA-CLOTH(バナナクロス)」の普及活動に取り組んでいる。原材料の調達から、紡績、卸などを各社や個人の間で協調しつつ行っている。

 原材料となるのは、バナナの“幹”のように見える「偽茎」と呼ばれる部分から採取した繊維である。バナナは1つの偽茎から1度しか実を結ばない。このためバナナ畑では、収穫を終えた偽茎は新芽を残して伐採され、通常は廃棄される。廃棄量は世界129カ所の国と地域で年間約10億トンに達するが、廃棄時には焼却されるため、相応のCO2が排出されることになる。BANANA-CLOTH推進委員会は、これらの廃棄物を天然繊維として活用することで、CO2排出量を抑えつつ、循環型社会にも貢献し得るサステナブル素材の開発に取り組んでいる。

BANANA-CLOTHのサンプル [クリックして拡大]

 製造方法は大まかに以下の通り。バナナの偽茎は8〜9層の構造になっており、茶色い外側の3層を取り除いてから内側にある白い茎の皮を剥いて、さらに剥皮機にかける。そこから細かい繊維状にした後、天日干しして、くしでならして繊維の方向をそろえる。1本の偽茎(25kg)から、約500〜750g程度の繊維が採取できるという。

BANANA-CLOTHで作られた製品サンプル [クリックして拡大]

 ただ、バナナの繊維はそのまま糸にするだけでは十分な強度が得にくいため、綿と混紡して紡績する。これによって、「アパレル製品などに使用できる強度が得られた」(BANANA-CLOTH推進委員会の担当者)という。BANANA-CLOTHにおけるバナナの繊維の含有率は最大で30%程度である。

 BANANA-CLOTHを使用した布の手触りは、「麻に近い風合い」(同担当者)である。記者も触ってみたが、綿100%の生地と比較すると、よりさらさらとした手触りであるように感じられた。

 用途としてはシャツやズボンなどのアパレル製品や、トートバッグなどのかばん類などを想定する。現在、アパレル企業を中心に引き合いが増えているという。今後はBANANA-CLOTHをより身近に感じてもらうため、「製造コスト低減に向けた取り組みを進める」(同担当者)としている。

展示ブースの様子 [クリックして拡大]

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