特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2022年04月11日 06時30分 公開

リコーが2種の太陽電池を披露、IoTデバイスの自立型電源にIoT&5Gソリューション展

リコーは、「第11回 IoT&5Gソリューション展 春」において、同社が開発した固体型色素増感太陽電池と、九州大学と共同開発したフレキシブル環境発電デバイスを披露した。IoTデバイスの普及を拡大させる自立型電源として提案を進める。

[朴尚洙,MONOist]

 リコーは、「第11回 IoT&5Gソリューション展 春」(東京ビッグサイト、2022年4月6〜8日)において、同社が開発した固体型色素増感太陽電池と、九州大学と共同開発したフレキシブル環境発電デバイスを披露した。IoT(モノのインターネット)デバイスの普及を拡大させる自立型電源として提案を進める。

 同社の固体型色素増感太陽電池は、室内照明のような微弱な光でも高い発電性能を発揮することを特徴としている。2020年2月に太陽電池モジュールの外販を開始した後、同年5月には応用製品となる環境センサーを発売。さらに、2021年5月には、固体型色素増感太陽電池の性能について、最大出力を従来比約20%向上し、−30℃までの低温環境下にも対応できるようにするなどの改良を施して、同年9月には環境センサーも性能向上した固体型色素増感太陽電池を搭載したラインアップに刷新している。

リコーの固体型色素増感太陽電池と環境センサーの関連製品 リコーの固体型色素増感太陽電池と環境センサーの関連製品[クリックで拡大]

 改良後の固体型色素増感太陽電池の最大出力は、昼白色LEDで200ルクス(一般的な住宅の室内の明るさに相当)、25℃の環境下、52×84mmサイズのモジュールで276μWとなっている。発電効率は6.3μW/cm2になる。

 環境センサーは、固体型色素増感太陽電池で得た電力をセンサー内のリチウムイオン電池に蓄積して駆動する。測定項目は、温度、湿度、照度、気圧、内蔵リチウムイオン電池の電圧で、通信はBluetooth Low Energyを用いている。環境センサーと、Bluetooth機能を持つスマートフォンやタブレット端末などと直接つなぐこともできるが、Wi-Fiを搭載する専用の中継器を用いれば最大15台の環境センサーを管理できる。主な用途としては、工場や倉庫の温湿度管理、冷蔵庫、冷凍庫の温度管理、オフィス空間の温度管理などを挙げる。「一般的な環境センサーが電源に用いているコイン型電池は交換する必要がある。しかし、当社の環境センサーは、照明による明かりがあれば固体型色素増感太陽電池によって電力が得られるので交換の必要がない。また、−30℃でも動作可能なことで適用範囲を広げられると考えている」(リコーの説明員)という。

 一方、フレキシブル環境発電デバイスは2022年度内の商品化を目指して開発中の技術である。薄型、軽量、フィルム形状の有機薄膜太陽電池(OPV)であり、屋内のような低照度(約200ルクス)から、屋外の日陰などの中照度(約1万ルクス)までの環境下で、光電変換効率11〜12%の高効率な発電を行える。

リコーのフレキシブル環境発電デバイス リコーのフレキシブル環境発電デバイス[クリックで拡大]

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