トライアル子会社、メーカーと小売りの協働につながる購買情報分析ツール展示リテールテックJAPAN 2022

Retail AIは「リテールテックJAPAN 2022」において、「MD-Link」を展示した。この他、スマートショッピングカート、AIカメラ、ショーケースと連携したサイネージなども併せて紹介した。

» 2022年03月04日 09時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 トライアルホールディングスの子会社であるRetail AIは「リテールテックJAPAN 2022」(2022年3月1〜4日、東京ビッグサイト)において、メーカーと小売店舗の協働を促す購買データ分析ツール「MD-Link」を展示した。この他、スマートショッピングカート、ショーケースと連携したサイネージなども併せて紹介した。

メーカーも使える購買情報分析ツール

 特許取得済みの独自の高速処理エンジンによって、店舗運営の過程で蓄積されたビッグデータなどを分析する。事前に登録済みの顧客会員情報と購買データを結び付けることで、どのような組み合わせで商品を購入しているかを明らかにする併売分析や、顧客分析に生かせる。顧客の住所を使った商圏分析も可能で、特定地域から来店した客の売り上げ分析も行える。

商圏分析の画面。地域別に顧客単価などを可視化する[クリックして拡大]

 MD-Linkの分析機能はASP(Application Service Provider)形式で提供するサービスのため、商品の製造メーカーも同サービスを導入した小売店と連携することで利用可能になる。メーカーの活用方法として、トライアル担当者は「例えば食品製造業であれば、併売分析を通じて分かった『おつまみとビールの買い合わせが増えている』という知見を基に、商品の見せ方などを小売店舗側と協力しながら進められるようになる」と説明した。

併売分析の画面[クリックして拡大]

 Retail AIはこれまでサントリー酒類や日本ハムなどのメーカーとリテールAIを推進するプロジェクトに参画し、共同で取り組みを進めてきた。MD-Linkにはこれらの取り組みを通じて得た成果も機能面で反映されているという。

 Retail AIはこの他にも、タブレットとショッピングカートを一体化したスマートショッピングカートも展示した。バーコードスキャナーを活用したセルフレジ機能を搭載しており、顧客が手に取った商品をその場でスキャンできる。スキャン後は決済ゲートを通過することで自動的に精算される。

Retail AIが展示したスマートショッピングカート[クリックして拡大]
会場ではフクシマガリレイと共同で開発した、AIカメラを搭載したスマートショーケースも展示した。弁当やパンなど商品の仕上がりをサイネージと音声で知らせ、販促効果を高める仕組みもある[クリックして拡大]

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