かごに投入するだけで商品を自動識別するAIショッピングカートリテールテックJAPAN 2022

東芝テックは「リテールテックJAPAN 2022」(2022年3月1〜4日、東京ビッグサイト)において、画像認識AI(人工知能)のスタートアップであるIMAGRの技術を活用したスマートショッピングカートを展示した。画像で商品を自動識別する仕組みで、商品登録時のバーコードスキャンを不要化している。

» 2022年03月02日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 東芝テックは「リテールテックJAPAN 2022」(2022年3月1〜4日、東京ビッグサイト)において、画像認識AI(人工知能)のスタートアップであるIMAGRの技術を活用したスマートショッピングカートを展示した。画像で商品を自動識別する仕組みで、商品登録時のバーコードスキャンを不要化している。

4つのカメラで画像認識

 今回展示したショッピングカートは、AIによる画像認識で、カートに入れた商品の種別を自動的に識別する点が最大の特徴である。他のセルフレジやスマートショッピングカートでは購入予定商品を登録する際にバーコードスキャンを行うことも多いが、こうした手間を省くことで快適な購買体験を実現するという。

IMAGRの技術を活用したスマートショッピングカート[クリックして拡大]

 使用方法は次の通り。購買客は専用エコバッグにプリントされたQRコードを自身のスマートフォンで読み取った上で、ショッピングカート内部に設置する。すると、ショッピングカートとスマートフォンが連携した状態になり、カート内に入れた商品をスマートフォンの専用アプリ上のリストで確認、決済できるようになる。カートから取り出した商品は自動的にリストから削除される。

商品を投入するだけで自動的に種別を識別する[クリックして拡大]

 商品の読み取りはショッピングカートのかご上部に設置された4つのカメラで行う。読み取った商品の画像データは、あらかじめ商品マスターに登録済みのデータと照合され、種別が自動判定される。商品の外装が多少つぶれている、ゆがんでいるといった場合でも正常に読み取れるという。

かご上部に設置されたカメラ(画像中央の黒い部分)[クリックして拡大]

 IMAGRは画像認識AI技術に強みを持つニュージーランドのスタートアップだ。東芝テックは2020年、エイチ・ツー・オー リテイリングと共に出資を行っており、2021年4月には実用化に向けたサービス契約を締結している。現在、阪急オアシスの中之島店(大阪府大阪市)でスマートショッピングカートを使った実証実験を実施中だ。

 なお、展示品のカート容量は約98リットルだが、今後は「日本のスーパーマーケットなどでの購買体験に適したサイズに改修する」(IMAGRの担当者)予定だという。また、東芝テックは同社が保有する小売店などのデータとIMAGRの技術を合わせることで、新たなスマートショッピングカートの開発に生かしていくとする。

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