応力−ひずみマトリクス[D]は重要なので導出しましょう。材料力学のポアソン比の定義を思い出してください。図9に微小四角形をx方向に引っ張った場合を示します。微小四角形はx方向にΔLxだけ伸び、y方向はΔLyだけ縮みます。x方向ひずみをεx、y方向ひずみをεyとすると、εyとεxの比がポアソン比でしたね。εyとεxの符号が異なるため、ポアソン比νは式14で定義されています。
微小四角形をx方向とy方向同時に引っ張った(引張荷重が作用した)場合を考えます(図10)。σxによりx方向にεx=σx/Eのひずみが発生し、同時にy方向にεy=−νεx=−ν(σx/E)のひずみが生じます。Eはヤング率です。一方、σyによりy方向にεy=σy/Eのひずみが発生し、同時にx方向にεx=−νεy=−ν(σy/E)のひずみが生じます。両者を重ね合わせると、式15ができます。
式15から、σxとσyを求めます。次式となります。
ついでに、せん断応力とせん断ひずみγxyの関係も考慮しましょう(式17)。
式16と式17を一緒にしてマトリクス表記すると、応力−ひずみ関係式と応力−ひずみマトリクス[D]は次式になります。
式18には係数E/(1−ν2)がかかっています。これを取り出しましょう。次式になります。
では、剛性マトリクスはどうなるのでしょうか。式5の重積分は、要素の面積分です。2次元三角形1次要素の場合、剛性マトリクスは積分が簡単になって次式となります。Sは要素の面積です。
式20に式19を代入します(式21)。
式21を見ると、最適化の対象となるパラメータは、板厚hとヤング率Eとなります。hをパラメータとすると板厚最適化となり、Eをパラメータとすると密度法となります。
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