ついに登場したWindows 11、IoT機器向けでは何が変わるのかWindows 11時代に突入するIoT機器向けWindows(1)(3/3 ページ)

» 2022年01月26日 10時00分 公開
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「IE」と「Edge」、Webブラウザはどうなるのか

 Windows 10 IoT Enterprise LTSCの特徴の一つに、「Edgeブラウザがプリインストールされていない」というものがありました。Webブラウザである「Microsoft Edge」は、Windows 10の既定のブラウザとして登場したのですが、機能固定および長期サポートを重視するLTSCではInternet Explorer 11(以下、IE11)のまま据え置かれていたのです。

 2020年1月にMicrosoftは、新しいMicrosoft Edgeの提供を開始し、Edge Legacyのサポート終了を発表しました(ややこしいのですが、新しいMicrosoft Edgeが登場した際に、従来のMicrosoft Edgeは“Legacy”として区別されています)。この新しいMicrosoft Edgeは、Windows 10 IoT Enterprise 2019 LTSCに追加インストールが可能であり、Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCにおいては同ブラウザがプリインストールされています。

 また、MicrosoftはInternet ExplorerをWindows OS のコンポーネントとして位置付けており、インストールされているWindows OSと同等のサポート期間を提供しています。Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCにはIE11が引き続きプリインストールされており、既存ソフトウェア資産やWebサイトの下位互換性などさまざまな理由によりIE11の継続使用が必要な環境に対応し、OSのサポート期間である2032年1月まで安全に使用できる見込みです(表2)。

Windowsのバージョン Internet Explorer 11 Microsoft Edge Legacy 新しいMicrosoft Edge
Windows 10 IoT Enterprise
サポートは2022年6月15日まで

サポートは2021年3月で終了
2021年5月以降の更新でインストールされる
Windows 11 IoT Enterprise 非対応 非対応
Windows 10 IoT Enterprise 2019 LTSC 非対応 追加が可能
Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC 非対応
表2 各IoT機器向けWindowsにおけるIE11、Microsoft Edge Legacy、新しいMicrosoft Edgeの対応状況(✔=プリインストールされている)

 一方で、Windows 11 IoT EnterpriseにはIE11は含まれておらず、またWindows 10 IoT Enterpriseの半期チャネルにおいてもIE11は間もなくサポート終了を迎えるため、これらOSの場合、ブラウザの下位互換性は新しいMicrosoft EdgeのIEモードで確保する必要があります。IEモードは「少なくとも2029年まで」サポートすることがアナウンスされています。



 今回はIoT機器向けWindows 10/11について、大別して3種類の製品があり、サポート期間やハードウェア要件の違いがあることについて触れました。次回は、これらWindows 10/11 IoT Enterpriseで使用できるIoT機器向け機能について解説する予定です。

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