「Z 8114:1999 製図−製図用語 Technical product documentation−Terms relating to technical drawings」を確認すると、寸法補助記号とは「寸法数値に付加して、その寸法の意味を明確にするために用いる記号」と記載されています。寸法補助記号には、表1に記載されたものがあります。
頻繁に使用するものもあればそうでないものもあります。また、使用する上で注意が必要なものもあります。以下、特筆すべき内容について取り上げます。
円形の直径の寸法を記入する際、寸法線の両端に端末記号が付く場合は直径記号「Φ」を使用しなくてもよいと、JISに規定されています。また、円形の一部を欠いた図形で寸法線の端末記号が片側の場合は、半径寸法と誤解しないように直径記号Φを記入します。
また、引出線を用いて記入する場合には直径記号を記入しますが、明らかに円形になる加工方法が併記されている場合は直径記号を記入しません。
コントロール半径「CR」と半径「R」は何が違うのでしょうか。CR(Control Radius)は図17左で示したように直線部と半径の曲線部が滑らかにつなげられた状態を指示します。CRでは、ある一定の範囲に半径があることをコントロール(制御)することが目的で、これは最大許容半径と最小許容半径との間(2つの曲面に接する公差域)に存在するように規制されています。
一方、よく使用されるRの場合は、曲線部分に凹凸(おうとつ)の有無、直線部と半径部の滑らかさや、段差の有無は制御されていないという点で異なります。
大きさに対する定義について理解も進んできました。次回は今回お話できなかった「寸法補助記号」の残りと「穴寸法」を取り上げます。お楽しみに! (次回へ続く)
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