先端ロジック/メモリチップのパターニングには計測技術のブレークスルーが必要アプライド マテリアルズ ブログ(2/2 ページ)

» 2021年12月03日 10時00分 公開
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 3Dデバイス構造も、問題をさらに複雑にしている。平面デバイスに比べて計測回数が3倍多くなるからだ。高さのある構造になるため、局所でも層間でもひずみが生じやすい。次世代のgate-all-around(GAA)トランジスタではさらに多くの計測回数が必要となる。

 現在ファブでオーバーレイの制御に用いられている光学的計測装置は、実は製造されるデバイスの計測に求められる解像度を備えていない、と聞くと、経験豊富な業界ウォッチャーでも驚くかもしれない。実はこうした光学計測装置は、代替ターゲット(ダイの近傍に付けられた縦横の目印)を使ってパターンの位置の正しさを近似的に割り出しているのだ(図2)。

図2 図2 今日の光学計測装置は代替ターゲットに依存している。パターンが正しく配置されているかどうかを見極めるために使われるこのターゲットは、ダイ上にある実際のフィーチャーより約10倍大きい[クリックで拡大]

 この間接的な計測方法は、2Dスケーリング、単層成膜、エッチパターニングが主流だった時代に開発されたものである。プロセスエンジニアはオンデバイス計測の欠如をアルゴリズムで補ってきたが、この技法の精度は限界に達しつつある。しかも最近ではアライメントのわずかなエラーも許されなくなっている。

 プロセスの量産化を加速するとともにプロセス制御によってエクスカーション(変動)を回避する上で、計測技術は極めて重要な役割を果たす。パターニングエラーが起きるとウエハー廃棄や低歩留まりにつながるのみならず、不良品ではないが性能や消費電力効率が悪いチップであるために安価でしか売れないなど、コスト面での影響が大きい。

 こうした問題の解決は誰もが望むところだが、計測できない問題は解決できないし、見えないものは計測できない。

解決に向けて

 パターニング制御を改善する1つの方法は、ターゲットベースの近似をやめて、ウエハー全面に配置された各ダイの状態を実測することである。

 この理想的なアプローチはオーバーレイの問題を解決するのみならず、成膜、エッチング、熱処理、CMPなど、関連する全プロセス技術で問題点の診断に利用可能なデータをもたらす。ウエハー全面にわたって膨大な数のサンプリングが可能になれば、プロセスエンジニアはプロセスのばらつきをより迅速に検出して解決でき、PPAC(消費電力、性能、面積当たりコスト)の改善とt(歩留まり確保までの期間)の加速が可能となる。さらにこうしたデータをアプライド マテリアルズの画期的なAIxプラットフォームなどのAIエンジンに投入すれば、新しい材料やプロセス技術の開発と商用化のスピードアップにつながるだろう。

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