東北大学は、リチウムイオン伝導性イオン液体電解質の3Dプリント製造技術を開発し、任意の大きさと形状の固体リチウムイオン電池を、室温かつ短時間で3Dプリント製造することに成功した。
東北大学は2021年11月11日、リチウムイオン伝導性イオン液体電解質の3Dプリント製造技術を開発したと発表した。同技術により、任意の大きさと形状の固体リチウムイオン電池を、室温かつ短時間で3Dプリント製造することに成功した。
同研究では、リチウムイオン伝導性イオン液体と酸化物ナノ粒子から構成される疑似固体電解質材料に着目。両成分の比率を調整することで固体粉末状かゲル状かを作り分けることができる。今回はゲル状の材料に紫外線硬化樹脂を混ぜ合わせ、光造形方式による室温3Dプリントが可能な電解質インク材料を開発した。
この電解質インク材料は、疑似固体電解質が持つ、高いリチウムイオン伝導性、難揮発性、難燃性を有する。これとコバルト酸リチウム正極インク、チタン酸リチウム負極インクを用いて、3Dプリントのみで疑似固体リチウムイオン電池を作製したところ、100回以上の安定した充放電動作が実証できた。
これらの技術と材料は、これまで困難だった室温での3Dプリントが可能で、ポリマーなど熱分解性のあるソフト基板上への成膜にも対応する。また、生体適合性マイクロ電池やフレキシブルデバイスなどにも応用が可能だ。
3Dプリンタの設計によっては、マイクロからメートルサイズまで、さまざまな大きさと形状で電池を造形できる。これにより、ウェアラブルデバイスや車載用電源など、幅広い用途の固体リチウムイオン電池がオンデマンドで製造可能になる。
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