世界的な需要増に対応すべく、CTA製人工腎臓の一貫生産工場を共同で新設:工場ニュース
ニプロは、大館工場内にCTA製ダイアライザの一貫生産工場を東洋紡と共同で新設する。東洋紡が原料から製造した中空糸を、ニプロがダイアライザに加工して製品化する一貫生産体制とすることで、生産効率を飛躍的に向上させる。
ニプロは2021年11月5日、秋田県の大館第7工場内に、CTA(セルローストリアセテート)製ダイアライザ(人工腎臓)の一貫生産工場を東洋紡と共同で新設すると発表した。同年7月に着工している。
新設工場イメージ(赤点線枠内) 出所:ニプロ
ダイアライザは、慢性腎不全となった患者が人工透析をする際、正常な腎臓の代わりに血液をろ過して毒素を取り除く医療機器。大館工場では1980年代初めより、東洋紡の岩国事業所から供給されるCTA製中空糸でダイアライザを製造してきた。CTA製中空糸膜のダイアライザは物質除去性能と生体適合性に優れており、世界中で利用されている。
ニプロのダイアライザ[クリックで拡大] 出所:ニプロ
新設工場では、東洋紡が中空糸を原料から製造し、ニプロがそのままダイアライザにまで加工して製品化する。両社の生産工程をスムーズに連携し、一貫生産体制とすることで、生産効率を飛躍的に向上させる。
約170億円を投資して新設する工場は、鉄骨造の3階建てで、延床面積は約3万1000m2。内訳は東洋紡が1万6000m2、ニプロが1万5000m2となっている。稼働日は2024年7月の予定だ。
世界の人工透析患者数は今後、年率7%で増加すると予想されており、それに伴いダイアライザも需要の増加が見込まれる。両社は世界中の患者のニーズに幅広く応えるべく、連携によって生産体制を強化していく。
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