ルネサスがCeleno Communicationsを359億円で買収、Wi-Fi技術を拡充:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、Celeno Communicationsを総額約3億1500万ドルで買収する合併契約を締結した。買収により、Celeno CommunicationsのWi-Fi技術や関連ソフトウェアを取得し、コネクティビティアプリケーションの製品群を拡充する。
ルネサス エレクトロニクスは2021年10月28日、Wi-FiソリューションプロバイダーのCeleno Communicationsを総額約3億1500万ドル(約359億円)で買収する合併契約を締結した。2021年末までの手続き完了を予定している。
Celeno Communicationsは、アナログ半導体の企業で、Wi-Fiチップセットやソフトウェアなどを提供している。ルネサス エレクトロニクスによると、特にWi-Fi 6および6E向けのチップセットは業界最小サイズとなっており、セキュリティを担保しつつも、遅延の少ない低消費電力な高速Wi-Fi通信が可能だという。
今回の買収により、同社はCeleno CommunicationsのWi-Fi技術や関連ソフトウェアを取得し、IoT(モノのインターネット)、インフラ、産業、自動車分野に向けてコネクティビティアプリケーションのポートフォリオを拡充する。
また、買収によってCeleno Communicationsがイスラエルに有する設計拠点も取得するほか、イスラエルやウクライナ、インド、中国、台湾などを拠点とする研究者を獲得し、設計開発およびエンジニアリングの能力を高める。
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