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» 2021年11月01日 11時00分 公開

国内投資を減らす日本企業の変質と負のスパイラル「ファクト」から考える中小製造業の生きる道(9)(3/5 ページ)

[小川真由/小川製作所,MONOist]

米国やドイツの「経済のカタチ」

 このように、企業の負債が停滞しつつ、政府や海外が純金融負債を増やしている状況は、一般的なのでしょうか? OECDのデータで、他の国とも比較してみましょう。

photo 図4 米国の各経済主体における純金融資産[クリックで拡大] 出所:「OECD統計データ」を基に筆者が作成
photo 図5 ドイツの各経済主体における純金融資産[クリックで拡大] 出所:「OECD統計データ」を基に筆者が作成
photo 図6 英国の各経済主体における純金融資産[クリックで拡大] 出所:「OECD統計データ」を基に筆者が作成
photo 図7 日本の各経済主体における純金融資産[クリックで拡大] 出所:「OECD統計データ」を基に筆者が作成

 図4図5図6はそれぞれ米国、ドイツ、英国のグラフです。念のため同じOECDのデータで日本のグラフを作ったものを図7に掲載します(図3とほぼ一致します)。

 どの国も基本的には企業が純金融負債を増やし、家計の純金融資産が増えている関係が見て取れると思います。2008年のリーマンショック以降は、ドイツの場合はさらに海外が純金融負債を増やしていますし、英国と米国の場合は政府が純金融負債を増やしています。主として負債を増やしているのは企業ですね。

 日本だけ企業の純金融負債が目減りしていて、家計の純金融資産の伸びも緩やかです。これらのグラフを見ても、どうやら日本だけ「企業」が変質しているといってもよい状況だといえます。

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