AnsysとAutodeskは、クラウドベースの統合設計開発プラットフォーム「Autodesk Fusion 360」初となるサードパーティーによるPCB(プリント基板)機能拡張を、両社の協業によって実現したことを発表した。
AnsysとAutodeskは2021年10月5日(米国時間)、クラウドベースの統合設計開発プラットフォーム「Autodesk Fusion 360」(以下、Fusion 360)初となるサードパーティーによるPCB(プリント基板)機能拡張を、両社の協業によって実現したことを発表した。これにより、AnsysがFusion 360のPCB機能拡張を行う最初のサードパーティーとなった。この協業は、設計者と解析者の間の壁を取り払う目的で、これまで行われてきた両社のパートナーシップワークフローの一環によるものだという。
Ansysの電磁界解析機能が、Fusion 360のPCB設計機能に組み込まれることで、製品設計者とエンジニアは容易に電磁界解析が行えるようになる。Fusion 360のワークフロー内でほぼリアルタイムの解析が行えるため、PCB設計の検証とイテレーションの迅速化に貢献し、試作コストの削減や開発期間の短縮、短期市場投入に役立てることができる。
今回の拡張は、2021年8月の製品アップデートでFusion 360に搭載された「Ansys Electronics Database」(EDB)のエクスポート機能を基に構築されているという。これにより、Fusion 360上からAnsysのファイルを容易にエクスポートして、共通デスクトップの「Ansys Electronics Desktop」を起動できる。
製品設計者とエンジニアは、Fusion 360のPCB拡張機能を活用することで、電磁両立性(EMC)に適合したPCBをより早く設計できるようになり、シグナルインテグリティ(SI)および電磁干渉(EMI)専門の解析者はAnsys Electronics Desktopを用いて詳細なシミュレーションを行い、製品の電磁界性能を確認することが可能となる。
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