ソニーの4K対応映像制作用スイッチャーがザイリンクスのFPGAを採用:組み込み採用事例
ザイリンクスのFPGAが、ソニーのライブプロダクションスイッチャー「XVS-G1」に採用された。HBMを搭載するFPGAを利用することで、XVS-G1は広色域の4K解像度や低遅延ハイダイナミックレンジでの高速処理が可能になった。
ザイリンクス(Xilinx)は2021年9月29日、同社のFPGAがソニーのライブプロダクションスイッチャー「XVS-G1」に採用されたと発表した。
XVS-G1に採用されたのは、HBM(広帯域メモリ)技術を搭載する「Virtex UltraScale+」だ。XVS-G1は、最大24の4K UHDチャンネルによりライブイベントの映像を処理できる。ライブスポーツやライブイベント向けのブロードキャストビデオスイッチャーにザイリンクスのHBM技術が採用されるのは、今回が初の事例になるという。
HBMコントローラーと高性能トランシーバーを備えるVirtex UltraScale+を採用したことで、XVS-G1は、広色域の4K解像度や極めて遅延の少ないハイダイナミックレンジでの高速処理が可能になった。
なお、ザイリンクスのデバイスは、XVS-G1に加えて、CineAltaカメラ「VENICE」、XDCAMメモリカムコーダー「FX9」、31型4K液晶マスターモニター「BVM-HX310」、マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5500」、カメラコントロールユニット「HDCU-5500」などのソニー製品にも採用されている。
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