オムロンは2021年9月29日、設備全体をデジタルで再現し実機と同等の精度で動作を簡単に検証できるシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を同年10月4日にグローバルで発売すると発表した。
オムロンは2021年9月29日、設備全体をデジタルで再現し実機と同等の精度で動作を簡単に検証できるシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を同年10月4日にグローバルで発売すると発表した。
「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」は、オムロンの「ロボット統合コンローラー」を含めた制御機器群に加え、顧客のカスタムロボットやパートナー企業の機器など、幅広く設備全体を検証できるシミュレーションソフトウェアだ。それぞれの3D CADデータを活用し直感的なシミュレーションができる他、オムロンの制御機器や「統合ロボットコントローラー」を通じて、精度の高い動作情報を活用できることが特徴だ。これらのデータに基づいた高精度のシミュレーションにより、実機による調整の負荷を大きく低減でき、生産能力向上や設備の立ち上げなどのリードタイムを削減できる。「製造現場をベースにいつでも誰でもとことん使い回せるシミュレーションをコンセプトとしている」(オムロン)。
同時にシミュレーションを行える製品は、EtherCATをベースに接続検証ができているもので、現状は制御機器など60社の製品があるという。これらを連動させることで、設備全体の動作を確認でき、設備を実際に立ち上げる前にデジタル上で見える化や、事前検証を行える。そのため、社内検証では、設備設計や動作検証の時間を約50%短縮できたという。さらに、設備稼働後も実機の動作状況をデジタル上で確認し、モニタリングすることで、異常時の原因解明までの時間を短期化し、リモートでのプログラム修正などを実現。ライン効率の改善などの時間短縮にも貢献する。
製造現場のシミュレーションでは、CADベンダーなどが展開するラインシミュレーターなどもあるが「ラインシミュレーターはライン全体などの規模を、機器1つ1つの動作などはそれほど高精度ではない形で検証する目的のものが多いが『Sysmac Studio 3Dシミュレーション』は実機のデータを生かせるため、機器単位で高精度に動作の検証を行える点が違いだ」(オムロン)と位置付けの違いについて述べている。将来的には「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」とこれらのラインシミュレーターとの連携なども視野に入れているという。
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