オムロンは2021年1月22日、ロボットと装置をまとめて制御できる「ロボット統合コントローラー」を標準採用したスカラロボット「i4シリーズ」を発売したと発表した。
オムロンは2021年1月22日、ロボットと装置をまとめて制御できる「ロボット統合コントローラー」を標準採用したスカラロボット「i4シリーズ」を発売したと発表した。
オムロンでは2020年7月に「ロボット統合コントローラー」を発表。従来は別々のコントローラーとソフトウェアが必要だったロボットと各種製造装置の制御を一括で行える価値をオムロンのロボット事業の強みとして訴求していく方針を示していた。
新たに発売する「i4シリーズ」は、最大可搬重量15kgの「i4H」と、コンパクトで軽量用途に適応する「i4L」モデルの2種類を用意するが、「i4H」はこの「ロボット統合コントローラー」に標準で対応しているのが特徴だ。「ロボット統合コントローラー」対応ロボットは既にオムロンから2機種発売されており、新製品は3機種目となる【一部訂正あり】。
【訂正】初出では「i4H」は「ロボット統合コントローラー」が標準搭載としていましたが「標準対応」の誤りでした。またオムロンの同コントローラー対応ロボットの機種数についても誤りがありましたので記事本文を修正しました。
「ロボット統合コントローラー」による統合制御を活用することで、ロボットだけでなくエンドエフェクターや周辺機器をまとめて統合制御を行える。これにより、高速・高精度に各機器をシームレスに連動させることが可能となる。例えば、ロボットの動きとエンドエフェクターの動きを高度に同期制御をさせることで、あたかも“6軸多関節ロボット”のような動きを取らせることも可能だという。
「4軸であるスカラロボットは、何かを持ち上げて、そのまま水平方向に移動させ、置くという単純な動作しかできなかった。そのため単純な動作を高速で行う用途がほとんどだ。ただ、周辺機器との統合制御を行うことができれば、ハンド部分に複雑な動作を担わせることが可能で、場合によっては、6軸相当の動きなどもとらせることができる。組み立てなどの作業も可能となる」(オムロン)としている。
「i4H」は、最大可搬重量が15kgで、リーチ長は650mm、750mm、850mmの3種類から選択可能である。また、標準210mmに加え410mmのロングクイルを全モデルで用意する。床置きや壁掛けに加え、天井取り付け可能な反転タイプなどもそろえ、自由な設置を実現する。ロボットアームの内部にEtherCAT通信を内蔵することで、エンドエフェクター部にEtherCAT機器を付加し、多様なハンドリングやロボット統合コントローラーとの連携で、高速高精度な搬送動作や組み立て動作を実現可能としている。「可搬質量を15kgとしたのは、ワークに加え、複雑なエンドエフェクターも取り付けられるようにしたためだ」(オムロン)。
筐体内にロボット制御ボックスやケーブルを内蔵し、設置面積を最小化した。また、ロボット統合コントローラーのプログラミングソフト「Sysmac Studio」統合ソフトウェアで、簡単にプログラムを組むことが可能だ。さらに、シミュレーション技術により設備設計の初期段階で、装置パフォーマンスの検証を可能にし、設備の仕様特定を担うメカ設計者と、設備の制御プログラミングを担う電気設計者が協議しながら並行して設計できる。
「i4L」は、最大可搬重量が5kgで、リーチ長は350mm、450mm、550mmの3種類を用意。標準180mmクイルに加えリーチ長550mmモデルは350mmのロングクイルに対応する。
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