矢野経済研究所が、ベトナムの製造業の現状を調査し、投資環境、貿易の動向、輸出志向型製造業や進出した外資企業の動向に関する調査結果を発表した。
矢野経済研究所は2021年9月15日、ベトナムの製造業の現状を調査し、投資環境、貿易の動向、輸出志向型製造業や進出した外資企業の動向に関する調査結果を発表した。
ベトナムは、中国以外の国や地域に生産拠点を分散させる「チャイナプラスワン」の動きの中で、有力な分散先として注目されている。ベトナム自身も自国の製造業の成長に向けて、外資企業を積極的に誘致する動きを見せている。
その結果、インテルやサムスン、LG、パナソニックなどの大手電子機器メーカーが生産拠点を置くこととなった。こうした状況もあり、2019年の製品輸出額ではシンガポールに次ぐASEAN第2位の輸出国になっている。
韓国や日本企業がベトナムを進出先として選択するのは、人件費が安価であること、同国人の性格や儒教文化圏の企業文化との親和性が高いといった理由が挙げられている。また、自由貿易協定の締結を進めることで、輸出向け製品の事業環境が良くなってきているという。
一方で、ベトナム進出時の課題もある。一例としては、部品や原材料の現地調達率が低いこと、人員確保が困難になってきたこと、さらに工業団地の不足や土地価格が高騰していることなどがある。
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